拒食症・過食症の原因

拒食症・過食症の原因

 


 


拒食症・過食症の原因

 

欧米では、この病気は中流以上のごくふつうの家庭の少女に多いといわれています。

 

その意味では、日本のようにあまり貧富の差がなく、多くの家庭が中流意識を持っている国では、どの家庭の子にも発症の可能性があります。

 

事実、この病気は日本でも着実に増加しているのです。

 

 

拒食、過食は経済や文化が進んだ国でしかみられないといわれています。

 

事実、日本が貧しかった戦中や敗戦直後、食べたくても食べるものがなかった時代にはほとんどみられませんでした。

 

 

高度経済成長を経て飽食の時代を迎えた今、この病気が現れ始めたのです。

 

ただし、この病気を「飽食時代特有のわがまま」「苦労知らずの子どもの気の病」と片づけてはいけません。

 

 

ひとつには肥満を嫌い、スリムな体型を美しいとする現代社会の価値観があります。

 

そこから生まれる「スーパーモデルのような体型になりたい」「顔やせしないと恥ずかしい」といった、女性のやせ願望が誘因となっています。

 

 

その人の性格も大きく影響します。極端なダイエットがたいていの場合大事に至らないのは、がまんしきれなくて、ついそのダイエットでは止められている食物に手を出したりするからなのです。

 

しかし、拒食症におちいる人は完全主義者で、いったん始めると徹底的にダイエットを実行してしまいがちなのです。

 

 

さらにこの根本には幼児期からの成長過程、とくに母親との関係が大きく影を落としていることが多いのです。

 

ですから、治療に当たっては心の問題を理解し、解決していく必要があります。

 

 

そのような心理的なアプローチをしないでただ食事をするように強要しても、症状は悪化するばかりです。

 

へたをすると、そのような強要が食事拒否から過食に転じるきっかけとなってしまうこともあるのです。

 


成熟の拒否が生む食行動

 

若い女性たちの神経性食欲不振症の基本にあるのは、女性へと成熟することへの拒否だと考えられています。

 

第二次性徴の現れる時期に多発するのもこのためといわれます。

 

 

さらに、ふっくらとした大人の女性の肉づきを嫌い、「大人になりたくない」「子どものままでいたい」という気持ちのなかには、「子どものままで母親への依存関係を維持したい」という思いが、無意識のうちに働いていることがあります。

 

 

そういった大人になることを拒否する子どもたちは、たいてい手がかかる幼児期に、必要とする愛情たっぷりのこまやかな世話をやいてもらった経験が不足していることが多いものです。

 

 

その時期に十分な依存関係を確立することができないで育つと、依存→反発→自立という正常な精神的発達の、スタート時点からつまずいてしまうことになります。

 


共依存関係が健康な食生活を妨げる

 

多くの場合、母親は子どもの生活にあれこれ口出しをして、自分の思いどおりに子どもを動かそうとします。

 

つまり、子どもを独立した人間と認めずに、いつまでも自分の所有物として扱っているのです。これは子どもへの依存といえます。

 

 

こうして、子どももそんな母親に反発しながらも依存を続ける、共依存の関係ができあがっていくのです。

 

 

そういう依存関係は、子どもの成長によい影響を及ぼしません。

 

親子ともども、子の成長・自立を望まない心理が奥底に働き、それが親子関係に深いかかわりをもつ食事にはね返るのです。

 

 

成熟しきれない、他者との共依存から抜け出せないという状態は、拒食症、過食症の発症リスク群の筆頭といえます。

 

これにストレスや挫折感、自信喪失、自己嫌悪などのきっかけが加われば拒食、過食が、いつ始まってもおかしくないのです。

 

 

母と娘の関係が、拒食や過食の原因になっている場合がよくあります。

 

母娘ともに精神的な自立が問題の解決には必要です。

 

 

 


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