境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)は、なぜ女性に多いのか?

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)は、なぜ女性に多いのか?

 


 

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)は、明らかに若い女性に多くみられる障害で、今後さらに増える傾向にあるといわれます。

 

現代の若い女性は、生き方が多様化し、かえってアイデンティティーが拡散しやすい傾向があります。

 

女性は結婚したら家庭に入り、子どもができたらよい妻、よい母になって夫や子どものために尽くすという従来の良妻賢母型の女性像が崩れていることも一因としてあげられます。

 

 

さらに、現在の母親たちは、子育てに混乱と不安を抱え込み、乳児期の母子関係が不安定になっています。

 

母であることに喜びを感じるよりも、子どもは自分を拘束し、自由を奪う存在に思えて、子どもと長時間一緒にいると苦痛を感じる女性が増えているといわれています。

 

 

母親が自分の生き方にこだわり、自分を仕事で生かすことを追求する動きのなかで、できるだけ子育ての苦痛や義務を最小限にして、かわいがりたいときにだけかわいがればよいという傾向もみられるようになりました。

 

女性の境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)が増えている背景には、誰もが理想としたモデルがなくなってしまったため女性のアイデンティティーがゆれ動いている現実があります。

 


 

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)だったマリリン・モンロー

 

女優のマリリン・モンローは、結婚回数の多さ、7回の自殺未遂歴などから、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)だったといわれます。

 

モンローの父親は彼女が誕生する前に家を去り、捨てられた母親はうつ病で入退院を繰り返しました。

 

 

モンローは長い養護施設生活の後、保護者が次々に変わり、16歳で父親を求めるような形で最初の結婚をしています。

 

彼女は安定した親子関係がもてず、アイデンティティーも築けませんでした。ハリウッドの大スターとなってからも、自身を「価値のないつまらない人間」と感じ、見捨てられた孤児としての姿を心に抱えていたといわれます。

 

 

社会的な成功とともに、自己を成熟させて、内的空虚感も埋められたらよかったのでしょうが、彼女の精神的未成熟さと成熟した肉体を魅力とする映画界では、それもまたアンビバレント(二律背反)な関係でした。

 

 

華やかな生活の裏で、不眠とうつ状態、孤独に悩まされながら、36歳で謎の多い死を遂げたモンローの境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)は、高度な情報社会、消費社会という背景が増強したものといえます。

 

 

日本でも芸能界で生きる職業の人にはボーダーライン傾向の強い人が多いといわれます。

 

 

 


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