境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)とは

境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)とは
(※画像はイメージです。)

 


 

私たちの感情の動きや行動は、自分が帰属している文化のなかで通常の状態で生活している限り、他人も含めて大方の予測がつくものです。

 

 

それは、感情や行動が多くの人にみられる平均的な範囲にあるからです。しかし、なかには平均的な範囲から逸脱した突拍子もない行動や感情をみせる、俗に変わり者とか変人あるいは偏屈などとよばれる人物がいます。

 

こうした人は、特に精神疾患によるものでない限り、性格の偏った人ということができます。

 

 

その性格の偏りが人格障害として分類されるのは、性格あるいは人格の偏りが顕著となり、柔軟性がなくなって不適応をきたし、しかも持続的になったときです。

 

反社会的な行動や仕事上の障害をもたらしたり、自分自身の苦痛の原因となります。

 

 

人格障害は、自己や他者を知覚し解釈する認知、情動反応の範囲や強さなどの感情性、対人関係、衝動の制御といった領域で、著しく偏った内的体験および行動の様式が持続するケースを指します。

 

アメリカ精神医学会の診断基準(DSM-Ⅳ)では、A~C群の3グループに大別し、境界性人格障害は、演技的で情緒的で移り気にみえることが多いB群に分類しています。

 

 

境界(ボーダーライン)という言葉は、もともとは精神病と神経症の境界線上にいるケース(境界例)という意味で使われてきました。

 

ところが、境界例とよばれていた患者群のなかには、統合失調症の範疇もしくはそれに近い疾患というべきものと、統合失調症型とは別個の独立した疾患があることがわかってきました。

 

 

そして、前者はDSM-Ⅳでは統合失調型人格障害、後者が境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)とよばれるようになったという経緯があります。

 

 

DSM-Ⅳでは、境界性人格障害を人格の発達障害というとらえ方で診断基準を作成していますが、WHO(世界保健機関)の国際疾病分類であるICD-10では、類似の障害を情緒不安定性障害とよび、衝動のコントロールができない衝動型とアイデンティティー(自己同一性)の障害が強い境界型に分けています。

 

 

しかし、境界性人格障害(境界性パーソナリティ障害)という分類については、いまだに未解決な問題があり、この障害が果たして人格障害といえるものなのか、単に何らかの精神障害に移行しうる状態にすぎないのではないかといった論議が現在も続いています。

 

 

なお、現在はDSM-Ⅳ-TR日本語版2003年8月新訂版より、邦訳が境界性人格障害から境界性パーソナリティ障害へと変更されています。

 

 

 


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