言葉の壁が大きい海外生活

言葉の壁が大きい海外生活

 


 

留学生や就労のために渡航した人とその家族などは、一時滞在者とよばれます。

 

 

一時滞在者のなかには、大使館員などの政府関係者、海外進出企業の駐在員などのように、本国の人事管理によって渡航している人と、留学生やワーキング・ホリディなどの若者、また労働ビザをもって現地で働く人など、本人の自発的な選択によって渡航し、滞在中の生活基盤に対する組織の援助がない人がいます。

 

 

しかし、生活基盤や身分の保証の有無にかかわらず、いずれも同じように精神的な問題が発生しています。

 

 

異文化のなかで暮らすには、やはり言葉が最大の障害です。

 

外国語の能力が高い人ほど精神の健康度はよい傾向がみられますが、本人がおかれた環境によっても要求される語学レベルが違ってきます。

 

 

一般的にいえるのは、日本人は論理的な会話や心理的に微妙な会話になると、途端に十分な主張や表現ができなくなることです。

 

海外赴任者の場合は、外国語で十分説明できないと、仕事を一人で抱え込んでしまいがちで、どうしても長時間労働になります。

 

 

また、現地人社員との軋轢や、本社との現地認識の差、自分のキャリアへの海外赴任がもつ意味づけの不明確さなどがストレスとなって、神経症や心身症などの不安緊張状態やうつ状態に陥りやすくなります。

 

また、駐在員の妻や家族は、仕方なく渡航を応諾することが多いものです。

 

特に家庭にいる妻は、言葉の問題があるうえに、家事や子どもの教育などの負担が一身にかかってきます。

 

夫の協力がないと、さまざまな場面で孤軍奮闘することになり、次第に孤立感を深めストレスがたまってきます。

 

 

そのうえ、現地の日本人コミュニティーでの人間関係のストレスも案外多いようです。

 

日本人同士の情報交換やつき合いは、よい面もありますが、狭い社会だけに夫の勤務先の上下関係がもち込まれたりすると、かえって精神的負担になることがあります。

 

 

海外生活では、甘えたり気持ちが通じ合える、あるいは現地の事情に明るくて何でも相談できるといった人の存在が重要になります。

 

身近にこのような人がいると、予備知識を教わることによってストレスが減少し、たとえストレスを生じても、効果的に対処する方法を伝授してくれたりするからです。

 

 

したがって配偶者の存在は大きな意味をもちます。

 

配偶者が冷たかったりすればストレスの原因ともなりますが、逆の場合は愚痴を聞いて、いろいろとアドバイスを受けることで安心することができますし、また、対処法をみつける手助けもしてもらえます。

 

 

特に男性は、メンタルな面での相談や治療に対する抵抗感が強いうえに、社会的な立場や面子もあって、調子が悪くても家族や会社には心身の状態を知らせず、専門的な医療も受けたがらない傾向があります。

 

 

海外では日本にいるときのように、勤め帰りに会社や上司への不満を言いながら同僚と一杯やるといったストレス発散の機会が得にくいものですが、友人と会ったり家族と出かけたりするなど、対人的なストレス対処法をとる人のほうが、読書や睡眠、入浴などといった方法をとる人よりもメンタルヘルスがよい傾向にあるといわれます。

 

 

 

 


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