同一性が混乱してしまう帰国子女

同一性が混乱してしまう帰国子女

 


 

親の転勤などで海外で生活し、学齢期に帰国するのがいわゆる帰国子女です。

 

学齢期に達した子どもたちは、異文化への適応を余儀なくされ、母国に帰国するときに再び精神的負担を強いられるという二重の苦悩があります。

 

特に帰国に際しては、もともと日本人なのだからと、当たり前のように要求される日本人化の問題を抱えているといわれます。

 

 

帰国子女は、渡航してから帰国するまでにさまざまな生活の変化を体験します。

 

複数の文化と同一化していく過程は一面では自己を豊かに育てる機会ともなりますが、なじんだ世界から二度も引き離されるという喪失体験は、同一性に混乱をきたすことにもなります。

 

 

同一性には、自己の独自性の感覚のほかに、過去と現在をつなぐ自己の連続性が含まれます。

 

帰国子女にとって連続性は、日本的な部分と異国ではぐくまれたものが共存することによってなりたっています。

 

 

帰国子女は、二つの文化的側面を身につけていることで、独自の価値観、生活様式と同一性を生みだしているのです。

 

しかし、渡航先に愛着があるにもかかわらず、異国のことは早く忘れて日本になじむようにとプレッシャーをかけられることで、しばしば同一性の連続性に混乱が起きます。

 

 

帰国子女にとって大きな問題は、日本の学校生活に適応できず、学業や対人関係で困難をきたすケースがあることです。

 

みんなが知っている歌や言葉などを知らなかったり、つい渡航先の言葉で話したりすることでいじめにあい、不登校摂食障害、うつ状態などの症状を示すことがあります。

 

 

二つの文化を身につけた子どもたちは、異文化に対する偏見が少なく、人種、民族の違いに対して寛容で、二つの相反する視点から物事を見つめる傾向があるといった特徴があります。

 

教育の現場に携わる人や家族は、帰国子女をバイカルチュラルな人間として、同一性の形成を援助することが大切になります。

 

 

 


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