精神症状が起因となる旅行

精神症状が起因となる旅行

 


 

外国への渡航は、観光のように決まった居所をもたずに渡航する旅行者、居所を定め留学や就労を目的として渡航し本国への帰国を予定する一時滞在者、国際結婚や移民などのように渡航国への定住を目的として本国への帰国を予定しない永住予定者などに大きく分けることができます。

 

 

最も多いのが観光旅行を目的とした短期の旅行者です。

 

大勢で海外旅行に出かけたり、予定も決めずに一人で気楽にあちこちを見て歩くのも楽しいものです。

 

 

しかし、旅行者のなかには、統合失調症など、精神病の妄想や幻覚などの症状が誘因となって海外旅行に出かけてしまう例もあります。

 

 

このようなケースは、病的旅行ということができます。

 

旅行の出発時にも何らかの奇妙な状態がみられることが多く、仮に出発前には目立った症状がなくても、旅先では不慣れな状況や不安材料に事欠かないことから、何らかの出来事が引き金になって症状が顕在化します。

 

 

興奮やまとまらない言動などでトラブルを生じて警察などに保護され、強制送還されることになります。

 

 

また、パリ在住の精神科医は、日常生活や環境に問題を抱え、この状況を解決できない自己から逃避することを目的として、渡航先を理想化し、自己実現の場と考えて渡航する人々が出てきたと指摘しています。

 

 

こうした人々は、コミュニケーション能力が不足し、問題解決能力が欠けていることが多いものです。

 

 

ある期間は喜々として海外生活を謳歌していても問題に遭遇しがちで、解決できないままにふさぎ込み、自堕落な生活に陥ったり、あるいは酒におぼれたりします。

 

さらにひどい例では、精神病症状を呈する人、ついには自殺してしまう人もいるといわれます。

 

 

こうしたケースの原因を考えると、性格要因が大いに関係していることがわかります。

 

もともと神経質で見栄っ張りで精神的に幼い人は、簡単にパニックを起こしますし、まじめすぎて融通のきかないタイプの人は燃え尽きてうつ状態になることがあります。

 

 

そして、元来夢想家で繊細な分裂気質の持ち主は、被害的になり、幻聴を聞いたり、被害関係妄想に支配されることさえあります。

 

さらに追い打ちをかけるのが時差です。

 

 

船旅が中心だったころには問題にもならなかったものですが、ジェット機時代となれば大きなストレスとなります。

 

生体リズムを壊し、不眠症を誘発し、さらに精神症状を惹起する引き金になることもあります。

 

 

 


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