非行の治療とさまざまなカウンセリング・精神療法

非行の治療とさまざまな精神療法

 


 

非行の原因は社会的・経済的要因ばかりでなく、心理的・身体的要因も複雑にからみ合っています。

 

非行の治療にあたっては、行動そのものを治療の対象にするのではなく、そのような行動を起こさざるを得ない青年期に直面する課題や人格構造をみていきます。

 

 

また、非行を犯した少年だけでなく、その家族とも積極的にかかわることを通して、彼らの意識レベルと無意識レベルの問題をとらえようと試みられます。

 

罪悪感が希薄な少年たちは、大人の常識や考え方を軽蔑していてまったく信用していないことが多く、個人療法でのカウンセリングでは、なかなか効果を上げることはできません。

 

 

そこで精神療法では、集団療法(グループ・セラピー)が主体となります。

 

集団療法では、同じような非行に走った若者たちを集めて、仲間同士で議論させます。

 

治療者がグループに入って指導しながら、自分たちの過去の出来事や、そのときの気持ちなどを語り合っていきます。

 

 

本人が少しずつ罪悪感を感じるようになると、認知行動療法も用いられます。

 

認知行動療法は、患者の独特の考え方や価値観、固定的な思考様式(認知)に問題があると考えられる場合、その認知のゆがみを修正しようとするものです。

 

それによって自分がやったことが、いかに多くの人に苦しみや悲しみを与えるものかという共感性を学ばせるようにします。

 

 

また、攻撃性が強い場合には、精神安定剤や抗不安薬、抗てんかん薬、抗精神病薬などが用いられる場合もあります。

 

家族療法は、本人も含めた家族全体を対象にし、問題を個人の病理ではなく、家族システムの機能不全が顕在化したものととらえて、家族機能の改善を目指すことを目的としています。

 

特に子どもとのかかわりや養育態度に困惑している家族にとっては、子どもと冷静に話し合う機会となります。

 

 

最近の子どもたちは、友だちとの関係を維持するのにとても神経を使っているといわれます。

 

グループでの非行が目立つのも仲間はずれになりたくない一心からです。

 


 

非行はここ数年再び増加の傾向にあります。

 

この背景には、子どもが自信をなくしていることに加え、子どもをとりまき密接にかかわるべき家庭・親、学校・教師が自信を失っていること、そして子どもと親、親と学校のそれぞれが相互に不信感をもっていることなどが指摘されています。

 

 

しかし、子どもの教育は、何よりも乳幼児期から小学校入学までの間が特に重要で、その間に身につけたものは、その後の学習姿勢や生き方を大きく左右するといわれています。

 

子育ての際に愛が足りないと愛情や注目を求めて非行に走り、溺愛すると自分をコントロールする力がつかないために反社会的な行動に出たり、よい子すぎても挫折に耐えられず、心理的パニックを起こしてしまいます。

 

 

また、子どもへの期待が高すぎても親への復讐として非行を行います。

 

まず、家庭で子どもに対して幼児期から善悪の区別や社会のルール、基本的なモラル、自己抑制力などを身につけさせることが大切です。

 

 

また非行は、葛藤が行動で表現された病理的自己表現の一つという側面もあります。

 

子どもの非行に気がついた時点で、カウンセラーや精神科医などの専門家の助けを求めることも必要です。

 

近年、非行は凶悪・低年齢化しています。非行が起きたら、家族で取り組むとともに、専門家の力も借りましょう。

 

 

 

 


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