五月病の原因と心理 【大学や会社の現実に幻滅し、急に何もかもが嫌になる】

五月病の原因と心理

 


 

あこがれの大学に入学した新入生たちは、長かった受験一辺倒の生活から解放され、講義の選択やサークルの歓迎コンパなどを経験して、高校時代とはひと味違うキャンパスライフをスタートさせることになります。

 

 

ところが、入学式やオリエンテーションなどが一段落した5月の連休明けごろから、ある種の虚脱感におそわれます。

 

 

「大学の講義が面白くない」「教授は古い講義ノートを読んでいる」「先輩たちは平気で講義をさぼり、ゲームやパチンコにうつつをぬかしている」という大学の現実に幻滅し、急に何もかもが嫌になります

 

しかし、まだ腹を割って話し合える友人や教師には出会えず、うつに近い精神状態に悩まされてしまうのです。

 

 

まず、学業に取り組む意欲がなくなり、無気力になります。

 

講義を聞いてノートをとったり、読書をしたりする集中力が失われ、講義をさぼって毎日をだらだらと過ごすようになります。

 

 

不眠や食欲不振、頭痛や嘔吐などの身体症状を伴う場合や、軽いうつ状態やノイローゼ傾向などの精神症状が出るケースもみられます。

 

慢性化すると、大学を休学したり留年したりする事態に追い込まれ、まれには自殺する人もいます。

 

 

しかし、多くは一過性の症状にとどまり、5月をうまく乗り切れば、自然にうつ状態から脱出できることが多く、一種の通過儀礼のようなものと考えられてきました。

 

 

また、五月病は当初、大学生特有の現象と考えられていましたが、大学生だけでなく新入社員や新婚夫婦、定年退職者、それに中学・高校生や小学生にまでみられる現象であることが、次第に明らかになってきました。

 

共通点としては、新しい環境全般に対する不適応があげられます。完璧主義で順応性の低い人ほどかかりやすいといえます。

 


 

新入社員の無気力と五月病の原因

 

希望に燃えて社会人としてのスタートを切った新入社員の場合も、大学生の場合と同様に入社直後の緊張がゆるんで、一段落した連休明けごろに、五月病の症状を示すことが多くなっています。

 

大きな原因の一つは、エネルギーの枯渇です。大学で学ぶ一方で、数社から多い人は数十社の会社訪問をします。

 

 

すぐに内定を出してもらえるわけではなく緊張と不安のなかで過ごします。

 

荷おろしうつ病」になることもあります。

 

 

もう一つの原因は、自分が就職活動で情報を収集して抱いていた仕事のイメージと現実との大きなずれを実感することです。

 

一流企業に入っても、最初に与えられる仕事は雑用が多く、華やかな幻想はすぐに崩れてしまいます。

 

 

さらに、目標の喪失感も原因の一つです。厳しい就職戦線を勝ち抜いて就職しても、希望の会社に入ることが目標になっている人にとっては、そこで目標を失うことになります。

 

その結果、自分が何をしてよいかわからなくなり、無気力状態に陥ってしまうのです。ある種の「燃え尽き症候群」といってもよいかもしれません。

 

 

実際には、仕事の進め方がわからなかったり、小さな失敗を重ねたりすることが発症のきっかけになります。

 

入社直後で、学生時代の昼夜逆転した生活習慣が残っていて、なかなか生活のリズムがつかめないのも一因です。

 

月曜日になると、頭痛やめまい、吐き気などの身体症状を示し、食事を食べなくなったりします。

 

 

会社に行くのが億劫になり、遅刻が目立ち始めます。そのうちに出社拒否するケースも出てきます。

 

新入社員の無気力は、大学時代に経験しておくべき五月病が就職後にもち越されたものだという指摘もあります。

 

 

大学生になっても、入学式や卒業式だけでなく、日常的な学業にまで口を出す母親が増えています。

 

過剰ともいえる母親の干渉の結果、大人としての自立が大幅に遅れ、大学時代にすませておくべき五月病を社会人になってから経験するというわけです。

 

 

最近では、就職から数年後に五月病状態になったり、中高年になって関連会社に出向した場合などに、同様の症状が起きる例があります。

 

さらに、大学を頂点とした受験競争の途中には、高校受験、中学受験あるいは小学校受験といった段階的な関所があり、それぞれの関所を越えたところで五月病と同じ精神症状がみられます。

 

 

 

 


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