醜形恐怖(容姿コンプレックス)の対象となる部位と周辺にある病気

醜形恐怖(容姿コンプレックス)の対象となる部位と周辺にある病気

 


 

気になる部位

合併していることが多い病気

脱毛や毛髪が薄い 強迫性障害
ニキビ、しわ、瘢痕、血管の斑紋、顔色が青いこと・赤いこと

顔面の多毛、顔面の不均衡性やゆがみ

うつ病
鼻、目、まぶた、まゆ毛、耳、口、唇、歯

あご、ほお、頭の形や大きさ

統合失調症など妄想を伴う病気
からだ全体の大きさ、背骨、肩、しり

手や足、腕、乳房、性器など

対人恐怖など社会恐怖


 

醜形恐怖(容姿コンプレックス)にみられる人格障害

 

醜形恐怖(醜形コンプレックス)の人は、概して回避性人格障害の傾向がみられます。

 

回避性人格障害は、批判や否認または拒絶に対する恐怖のために、対人関係にさまざまな障害が出てくるものです。

 

自分が受け入れられているかどうかに対して非常に敏感で、自尊心が低く、傷つきやすいといえます。

 

 

例えば「最近色が黒くなったんじゃないの」などという知人や友人の言葉に傷つき、「自分は色が黒いからみんなにきらわれている」といった考えにとりつかれ、次第に引きこもりがちになっていきます。

 

 

また、秩序や精神面および対人関係の統制にとらわれ、柔軟性や開放性、効率性が犠牲にされる強迫性人格障害もみられます。

 

 

すべてを完壁に行おうとし、自分の思いどおりでなければ気がすみません。

 

自分の容姿にも完壁さを求めるあまり、ささいな欠点も許すことができず、そのことが気になって生活が混乱してしまいます。

 

 

さらに、自己愛性人格障害も少なからずみられます。

 

自分が特別な存在であり、周囲の人から称賛されたいという欲求に加え、他人の気持ちや欲求を認めようとしません。

 

自分の顔やからだが醜いという心の奥底には、自分は美しくあるべきで、美しいはずだという、肥大した願望を秘めています。

 

 

また、醜形恐怖の人は親に対する依存性が強い人が多いことから、両親の過保護も影響していると考えられます。

 


 

醜形恐怖(容姿コンプレックス)と強迫性障害およびうつ病との関係

 

精神科医の多くは醜形恐怖(容姿コンプレックス)を、強迫性障害と同じような病理現象とみています。

 

強迫性障害とは何か一つの行為や行動にこだわり、その考えをぬぐい去ることができなくなったために起こる症状です。

 

 

考えの段階にとどまる場合は強迫観念、何か異常な儀式的行動が現れる場合は強迫行動とよばれます。

 

例えば極度の清潔感や、戸締まりへの過剰な警戒心などは強迫観念です。強迫観念のために、何回も手を洗ったり、ドアの鍵を何度も確認しなければ外出もできないという状態は強迫行動です。

 

 

強迫性障害は、青年期に発症する点でも醜形恐怖に似ています。醜形恐怖はどちらかといえば強迫観念に入ると考えられます。

 

しかし、自分の姿を何度も鏡に映し、醜いとこだわる部分を服装やメイクで隠そうとしたり、外出時には人に見られないように苦心して歩くといったことが日常的になっているケースは強迫行動といえます。

 

 

一般に強迫性障害では、自分の思い込みや行動が馬鹿げているという病識(自覚)があるといわれます。

 

これに対し醜形恐怖では、しばしば友人や知人の悪意のない言葉や行動のなかに「自分を傷つけようとしている」といった妄想が出るだけに、問題は深刻といえます。

 

 

また、強迫症状は、うつ病とも深い関係にあり、醜形恐怖に陥る人の80%には、うつ病あるいは抑うつ状態がみられるという報告があります。

 

本体はうつ病であるのに、うつ病の定型的な精神状態を示さずに身体症状が前面に出る病態として仮面うつ病がありますが、醜形恐怖にもこのような一面があります。

 

醜形恐怖の場合、うつ病に特徴的な精神症状である抑うつ感や感情を抑制する行動が背後に隠れてしまい、醜さに対する確信的態度だけが前面に出てしまうのです。

 

このため、抑うつ状態というよりは、活動的で、攻撃的にさえみえる場合があります。

 

 

失恋などの精神的打撃や進学、引っ越しといった環境の変化などで、抑うつ状態を引き起こしやすいときに、抑うつ症状の代わりに潜在化していた醜形恐怖の症状が前面に出現するようです。

 

うつ病によって社会生活から大きく後退してしまうのを、醜形恐怖にこだわることによって防いでいるともいえます。

 

醜形恐怖の鑑別には、うつ病を疑ってみることが欠かせません。

 

二重LP

 

 

 


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