帰宅拒否症とは 【働いて疲れているはずなのに家に帰りたくない】

帰宅拒否症とは
(※画像はイメージです。)

 


 

サラリーマンであれば誰でも一度や二度は、仕事が終わっても何となく家に帰りたくないという経験があるはずです。

 

職場での面白くない思いを引きずって帰宅し、家族に不機嫌な顔を見せたり愚痴をこぼすよりは、同僚と楽しく一杯飲んで、気分転換したい気になるのも無理のないことです。

 

 

しかし、帰宅拒否症はちょっと違います。退社時間が過ぎても何となく机を離れたくないという思いが強いのです。

 

働いて疲れているはずなのに家に帰りたくないのです。

 

 

やがて会社内に人がいなくなると、仕方なく重い足取りで会社を出るのですが、そのまま自宅に帰る気になれず、一人で繁華街などで時間をつぶします。

 

そして家族が寝静まったころを見計らって、ようやく家に帰り着くという毎日になっていきます。

 

 

症状が進むと、仕事が終わって家に帰ろうとすると気分が悪くなったり、家にいるときは頭痛やイライラ、不眠に襲われたりということが起きてきます。

 

 

症状が進むにつれて家に帰れなくなり、公園のベンチで寝たり、ビジネスホテルやカプセルホテルに泊まって、そこから会社に出勤するようになってしまいます。

 

 

場合によっては、家出や蒸発の心配も出てきます。

 

 

帰宅拒否症という病気は、仕事などでのストレスがきっかけで、ついには家に帰れなくなってしまう心の病につけられた病名です。

 

ここ10年ほどのうちに、年齢・性別にかかわりなく心の病気は増えています。

 


 

それも軽いうつ病など、心因性によるものが増えているのですが、これらの病気の原因の多くは、現代社会のありようや本人の性格や家庭環境、家族関係にあると考えられます。

 

 

現在の高年層は、高度経済成長期に働き盛りだった世代です。

 

かつてはその多くが仕事に精を出し、働くことが生きがいで、職場や家庭でも頑張っていこうという共通の思いがありました。

 

 

ところが経済成長の鈍化に伴い、これまで順調に働いてきたサラリーマンたちが、うつ状態におちいり、心の病気へと進むケースが増えてきました。

 

帰宅拒否症もそのうちの一つと考えられています。

 

 

特に高年世代の男性たちは、バブル崩壊後の後遺症にさらされています。

 

リストラによる雇用不安やストレスという厳しい現実に、なすすべもありません。

 

 

出世も昇進もままならず、住宅ローンを抱えているのに給料は予測どおりに上がってくれません。

 

なのに仕事は増え、体力的にも精神的にも負担は大きくなるばかりです。

 

 

これまで当然のことと思われてきた終身雇用制や年功序列型賃金制が崩れ始め、突然出向を命じられたり、年俸制が導入されるのが職場の現実なのです。

 

 

管理職についた高年層の悩みも大きく、昇進や転勤に伴う環境変化が原因で軽いうつ状態におちいってしまう「昇進うつ病」や「転勤うつ病」、業績に対する過剰な責任感などが原因で出社しようとすると気分が悪くなったりする「出社拒否症」、休日に家にいると落ち着かない「休日神経症」などとよばれる心の病が問題になってきました。

 

 

これらの人たちに共通しているのは、どの人も仕事への思い入れが探すぎることだといわれています。

 

若いころから仕事第一で遊ぶことを知らない中高年世代の多くは、職場で低い評価を受けたとき、すべてを失ったように打ちのめされてしまいます。

 

人生に裏切られたとさえ感じてストレスをため込んでいきます。

 

 

職場でのストレスに加えて、自らの心構えや家庭のあり方も帰宅拒否症を引き起こす要因となります。

 

職場でつらい思いをしているため、せめて憩いの場として家庭に救いを求めようとするのですが、長い間仕事中心の生活をしてきた世代には家族とのコミュニケーションがとりにくいようです。

 

 

妻や子どもと過ごす時間を切り捨ててまで会社一途に生きてきた夫が、にわかに自分の存在を家庭で主張し始めても、家族との歯車がかみ合うようになるには時間がかかります。

 

 

自宅に帰りたくない、帰れないという行動に向かわせる背景には、家族の同族意識が希薄になったという以上に社会構造の変化という問題もあります。

 

都市化現象、核家族化、男女の役割の変化、雇用制度の流動化、個人主義の浸透などといった変化です。

 

 

こうした変化の最中で、父親や夫たちは、職場では先行き不安に直面し、家庭でも居場所を見い出せないまま、不安やストレスから逃れようとします。

 

積極的なタイプの人は飲酒や賭事、妻以外の異性関係に活路を求めようとしますが、真面目なタイプにはそれもできません。

 

 

 


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