心気症の治療と家族の対応、周囲の人たちにできるケアや接し方

心気症の治療と家族、周囲の人たちにできるケア

 


 

心気症の治療では、主に精神療法が行われます。

 

本人が述べる症状の背景に隠されている病気に対する不安やおそれをくみとり、こだわっている病気ではないことをはっきりと示し、健康であるという自信をとり戻させることが重要になります。

 

 

必要に応じて、抗不安薬、交感神経β-遮断薬、睡眠導入薬などによる薬物療法が併用されます。

 

 

また、身体的な診察や検査を十分に行い、少しでも異常が発見されたときは、その治療も始めます。

 

精神療法では、本人が告げる異常に対して、病気の存在を最初から否定せず、まずは根気よく耳を傾けます。

 

 

身体的な異常がみつからず、特に治療の必要がないときは、心配するような病気ではないということをていねいに説明しますが、どんなに詳細に話しても、素直に納得しないのが心気症患者の特徴です。

 

 

そこで、ときには患者の要求をある程度受け入れながら臨機応変に対応し、安心感を与えるようにします。

 

そして、心気症の背景にある心細さ、不安、依存心、怒りといった思いを自覚させ、そこから目をそらさず正面から受け止められるようにサポートします。

 

 

また、からだや病気のことだけに向いていた関心を、趣味や仕事、社会活動など、ほかの領域に転じさせるように働きかけていきます。

 

治療によって微妙で複雑な気持ちが解きほぐされ、自分に自信がもてるようになったり、人を信じようという気持ちが生まれてくれば、執拗な訴えも収まり、心気症の症状は改善に向かいます。

 


 

デメカル

 

心気症患者の家族の対応、周囲の人たちにできるケアや接し方

 

心気症の患者は、医師の説明に納得せず、同じような内容の訴えをしつこく繰り返すことが多いものです。

 

最初は同情的な対応だった家族や周囲の人たちも、次第にイライラしたり、腹立たしい気持ちを抱くようになりがちです。

 

そのため、本人の言葉を無視したり、あるいは批判して言い争いになるケースもあります。

 

 

本人と、家族や周囲の人との気持ちのずれは、悪循環を招きます。

 

自分の苦痛を受け入れてもらえないという思いから、本人はますます孤立感や孤独感を深め、不安な気持ちはさらに強まります。

 

そして、それがまたからだへのこだわりとなって現れてくることになります。

 

 

心気症の患者にとって、からだの異常を訴えることは、その陰に隠れている「心の苦しみ」を聞いてほしいという気持ちの表れです。

 

また、臨床的な検査によって異常が発見されなくても、本人にとって、からだの不調や苦痛は現実のものなのです。

 

 

したがって、家族や周囲の人が出来ることは、症状の根底にある微妙な気持ちをくみとり、できるだけ話に耳を傾けて、気長につき合って接していくことが必要です。

 

あちこちの病医院を転々としたり、専門の診療科目を受診して異常が見いだされないにもかかわらず苦痛を訴え続けるような場合は、とにかく一度、精神科や心療内科を受診するようにしましょう。

 

心気症の患者の多くは、心身の不調が現れていても、何とか社会に適応していこうとします。

 

いったん快方に向かえば治りやすく、いつの間にか心気状態から脱することができたというケースも多くみられます。

 

 

ただし、そのためには専門的な治療が不可欠です。特に高齢者の場合は、自分のからだや身辺のことにばかり関心や注意を向けやすく、治りにくかったり、再発するケースも少なくありません。

 

 

 


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