劣等感(コンプレックス)を克服する方法

劣等感(コンプレックス)を克服する方法

 


 


劣等感(コンプレックス)を克服する方法

 

劣等感(コンプレックス)は、消極的な感情反応の面だけがとり上げられがちですが、ときには積極的な感情反応が生みだされることもあります。

 

オーストラリアの精神医学者で心理学者のアドラーは、人間の究極の行動要因は優越への要求であると考えました。

 

 

人間をかりたてる最も大きな原動力は、生命力の本質的感性への努力であるとしています。

 

それはしばしば各個人の劣等感を克服しようとする結果、優越への要求になるとしました。

 

 

アドラーは劣等感を克服するための補償を次のような五つのタイプに分けています。

  • 劣等感の源泉となったハンディキャップを克服する型(例:吃音を克服した雄弁家のデモステネス)
  • ハンディキャップと対照的な価値を実現する型(例:病弱を哲学・思想で克服したニーチェ)
  • 劣等感を引き起こす価値感を否定する型(例:イソップ童話の酸っぱいぶどう)
  • 空想や白日夢などに逃避する型
  • 劣等感を隠すために、装いをこらす型(例:ひげを生やしたり美しい身なりをする)

以上のように補償行為は、そのまま劣等感への対処法ということもできます。

 

しかし補償に失敗すると、劣等コンプレックスを生じるか、その反動として優越コンプレックスを生じるとしています。

 

 

例えば、学歴コンプレックスのように「俺には実力がある。あんな学校を出たやつなんかに負けるわけがない」という自助努力的な補償感情が過剰となり、むやみに攻撃的かつ挑戦的な態度で人と接するようなケースです。

 

こうなると結果的には、対人関係を悪化させてしまい、社会生活で満たきれることなく、常にストレスを抱えこむことになります。

 

 

いずれにしろ、補償という概念が、劣等感を克服するための有効なヒントを与えてくれるのは確かです。

 

特にアドラーの5タイプの補償は具体性があり、私たちが劣等感とつき合い、乗り越えるための手引きとしても活用できるものです。

 


劣等感に振り回されずにすむ克服方法

 

例えば職場に中途採用者が入ったとします。

 

相手が不慣れで、実力がわからないうちは気になる存在になりません。

 

 

しかし、頭角を現してきて、周囲からライバル視されるようになった場合、冷静でいられる人と、いらだって、ときには意地悪な作戦を練ったりする人がいます。

 

冷静でいる人は現実を受け入れられ、自分も相手も認められる人です。

 

少なくとも同じ職務を与えられている以上、相手より100%劣っていることなどありえません。

 

 

劣等感や嫉妬に苦しむより先に、自身の潜在能力の開花に努めるはずです。

 

こういうタイプの人は、努力することが苦になりません。

 

 

一方、劣等感が強い人は優劣意識に敏感で、力や称賛されることに強迫的な思いがあります。この場合、努力はつらいものになるでしょう。

 

劣等感が強いと自覚しているなら、ある時点のある感情を、単純に損得計算してはいかがでしょう。

 

 

比較の対象を自分にするという方法もあります。理想の自分の姿を現実の自分のライバルとすれば、努力のかいもありますし、他人に目がいく余裕もありません。

 

他人の成功を素直に喜べるようになれば、劣等感や嫉妬から解放され克服されたといってよいでしょう。

 


セルフカウンセリングのすすめ

 

カウンセリングとは、カウンセラーに相談してアドバイスを得るものと思いがちですが、悩みを解決したい、欠点を直したいといったときには、アドバイスされたからといって簡単に改善できるものではありません。

 

 

自分でもうすうす気づいている、あるいはわかっているけどやめられない、できれば改めたいということの一つや二つは、誰でももっているものです。

 

理屈ではわかっていてもできないことを、少しでもよい方向に向けたいときに試したいのがセルフカウンセリングです。

 

  • ①自分を知りたい
  • ②抱えている悩みを解決したい
  • ③自分を変えたい
  • ④自分を見つめ直したい

 

といったときに役立ちます。

 

劣等感を克服したい、劣等感にまつわる感情から解放されたいという場合は②に当たります。

 

最近、そういう気持ちになった出来事を思い出して、セルフカウンセリングをやってみましょう。

 

 

具体的には、自分が見たこと、聞いたこと、思ったこと、苦ったこと、したことを、できるだけ分かりやすい言葉で、具体的に紙に書いていきます。

 

正式には専用の「場面状況」「場面記述」「場面洞察」「( )による発見」の4種類の用紙があり、具体的につくられています。

 

 

場面状況には「記載の年月日、研究動機、場面説明、場所、登場人物」と登場する人の位置関係見取り図を書きます。

 

場面記述には、用紙を半々に区切って

 

「相手がしたこと、言ったこと、したこと、私がしたこと、言ったこと、したこと」

 

 

「私が思ったこと、言ったこと、したこと」

 

を書きます。

 

 

場面洞察には、相手と自分に分け、文章に番号をふったうえで「文番号、関係、感情、欲求」を書きます。

 

 

例えば「記述による発見」では、用紙を三つに区切って

 

「自分の欄を読んで気づいたこと」
「相手の欄を読んで気づいたこと」
「自分と相手の欄を読んで気づいたこと」

 

を書きます。

 

最後に洞察を書いているときや、洞察の結果を読み返したときに気づいたことを「( )による発見」に記入します。

 

 

以上がセルフ・カウンセリングの実際です。折にふれ、この一連の作業を行うことで、自分の好ききらいや価値観、願っていることなどが見えてきます。

 


自分のアイデンティティーの確立に努め、心の調和を保つ訓練が必要

 

思春期に肯定的な自己イメージが育っていれば、軽い対人恐怖や劣等意識をもちながらも安定した自己が育っていくものです。

 

そのためには、成長過程で肉親や親しい友人などとの交流を通して、親密な人間関係や愛情を体得することが必要です。

 

 

こうした感情体験は劣等意識を軽減させ、劣等感を克服目標に転化したり、新たな人生目標を設定して挑戦意欲をかきたてる原動力となります。

 

劣等感が完全に払拭されることはなくても、劣等感をプラスの方向に転化することはできます。

 

 

劣等感が大きくなりすぎて自分が押しつぶされないように、常に適度な情熱をかきたてて、自分が抱え込むことのできる大きさに封じ込め、闘争心や挑戦意欲などに変えることで精神のバランスをとることが大切です。

 

 

ただし、劣等コンプレックスの強い人は、とかく自分の成功や優秀さをひけらかす傾向があります。

 

自分の劣等感を見破られてしまうのではという思いから、自分を実際より大きく見せようとして、周囲の人の反発を招くことが多いものです。

 

 

自分のアイデンティティーの確立に努め、心の調和を保つ訓練も必要です。

 

 

二重LP

 

 

 


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