心理学における劣等感(劣等コンプレックス)

心理学における劣等感(劣等コンプレックス)

 


 

劣等感とはインフェリオリティ・フィーリング(inferiority feeling)の訳ですが、一般的には自分が何らかの点で他人より劣っていると感じること、またはその際の感情的反応をいいます。

 

 

オーストラリアの精神医学者で心理学者のアドラーは、人間は、その成長の過程で両親や周囲の人に対して常に何らかの劣等感をもち、この劣等感が人格を形成するうえで中枢的な役割を果たすと考えました。

 

例えば、ナポレオンはからだが小さいという劣等感があったからこそ、偉大な人物になれたというのです。

 

 

また、スイスの精神科医ユングは、実験者側が出す一つの言葉(刺激語)に対して被験者が思いついた一つの言葉を答える(反応語)という言語連想実験を行い、刺激語に対する反応語が出現するまでの時間が長かったり、1回目と2回目で答えが違っていたりするのは、刺激語に対して無意識の抵抗があるせいだと考えました。

 

 

そして、無意識の抵抗を生むのは、意識下に抑圧され、凝固した情緒的な内容の精神的要素の集団、つまり情緒的な中枢要素とそれに二次的に結びついて抑圧された多数の観念の複合体(コンプレックス)があるからだと分析しました。

 

 

コンプレックスという言葉は、実生活では「私はあの人にコンプレックスをもっている」などと劣等感と類語、同じ意味で使われることが多いものです。

 

コンプレックスという心のわだかまりには、劣等感を伴うもののほかに、「マザコン(母親コンプレックス)」「ファザコン(父親コンプレックス)」など、愛情に関連した心のわだかまりに基づくものがあります。

 


 

器官劣等性

 

劣等感に対し、臨床的な意味づけをするもとになったのは、アドラーの器官劣等性に関する論文です。ハンガリー系ユダヤ人のアルフレートアドラーは、個人心理学の創設者です。

 

例えば心臓疾患があると、機能を十分に遂行しようとして心臓が肥大します。

 

 

人は形態的・機能的に劣る器官をもつと、それを克服するためにほかの器官を発達させて代用します。

 

また、劣る器官そのものが弱点を克服する傾向があり、これを器官劣等性といいます。

 

 

目や耳、腎臓など二つ存在する器官にも代用能力が認められ、近年では脳でも、幼い発達途上の時期であれば左半球の損傷を右半球が代用する例が報告されています。

 

アドラーは器官劣等性を精神生活全般に適用し、劣等感と補償という関係に発展させました。

 

二重LP

 

 

 


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