レム睡眠とノンレム睡眠の違い

レム睡眠とノンレム睡眠の違い

 


 

長い間、睡眠は脳やからだの活動の休息する時間と考えられていました。

 

1953年、アメリカのシカゴ大学で、睡眠時の脳波パターンのひとつ「レム睡眠」が発見され、レム睡眠とその他の睡眠「ノンレム睡眠」が約90分の周期で繰り返し現れることがわかりました。

 

さらに、ポリグラフで眼球運動やあごの筋電図を同時測定したところ、睡眠の深さには4段階あることが知られるようになりました。

 

 

レム睡眠

レム睡眠は睡眠中にもかかわらず、眼球が痙攣したように激しく動く(Rapid Eye Movement:REM)ことから命名されました。

 

この睡眠中、夢を見ていますが、からだは十分に休息しています。

 

眠りに入ってから90~120分後に1回目が現れ、このときのレム睡眠の持続時間は約5分間です。

 

レム睡眠のときは血圧は上昇し、心拍数や呼吸数、胃酸の分泌は増加します。それ以降、レム睡眠の時間は回を追うごとに長くなり、起床間際の早朝には30~50分も続きます。

 

 

ノンレム睡眠

レム睡眠以外の睡眠をノンレム睡眠とよび、脳の休息に大きな役割を果たすと考えられています。

 

1968年に睡眠精神生理学会が、ノンレム睡眠を眠りの浅い順に1~4の段階に分けました。

 

なかでも段階3、4は脳波がゆったりと乱れるので、「徐波睡眠」といっています。

 

これはもっとも深い眠りと考えられており、睡眠の前半に多くみられるもので、後半になると減少します。

 


 

レム睡眠中の脳の状態

 

夢は、レム睡眠中の脳の状態と関係があることがわかっています。

 

レム睡眠中には、脳幹から視床、感覚中枢にかけての活動が低下して、外部からの感覚刺激はほとんど脳に入力されなくなります。

 

例えば瞳孔が極度に収縮するために、視覚系の入力が減少します。

 

 

また、鼓膜にある耳小骨周辺の筋の変化が生じ、聴覚系の入力も低下します。身体の運動量が減るために、皮膚の表面や深部の感覚も鈍くなります。

 

そのため、人は周囲の環境や空間と隔離された状態におかれます。

 

 

一方、大脳皮質の活動の低下によって、論理的思考をすることが困難となります。

 

ただし、過去の記憶をつかさどる部分の活動はある程度保たれていると考えられます。

 

 

また、急速眼球運動の出現と同時に、脳波に脳の視覚に関連した部位の活性化を示すPGO波が生じます。

 

これが刺激となって、視覚系が一時的に興奮状態となり、記憶の情報処理が行われ、断片的な視覚映像となって現れます。

 

 

つまり、レム睡眠中は現実世界と時間的、空間的に隔離され、論理的思考は失われているものの、過去の記憶は利用しやすい状態にあるといえます。

 

このような条件のもとで、急速眼球運動が引き金となって視覚系の一過性の興奮を生じ、記憶が夢として体験されると考えられています。

 


 

子どもと大人ではレム睡眠とノンレム睡眠に違いはあるの?

 

大人の睡眠は、ノンレム睡眠とレム睡眠によって構成されていて、1日1回の長い睡眠パターンを示します。

 

新生児期の睡眠には、まだレム睡眠とノンレム睡眠の区別がありません。睡眠時間は15~20時間と、1日の大半を占めています。

 

 

新生児の睡眠は、1回の眠りの単位が40~60分と短く、これを小刻みに繰り返すのが特徴です。

 

つまり、1日に何回も短い睡眠をとっているのです。このような睡眠のパターンは、新生児の脳がまだ未成熟なためと考えられます。

 

 

睡眠の内容は、成長に伴って変化してきます。

 

2歳以上の幼児期になると、ノンレム睡眠とレム睡眠の2種類の睡眠が現れます。1回の睡眠の単位も次第に長くなり、5~10歳の学童期には約90分に落ち着いて、大人の睡眠のパターンが確立されます。

 

 

幼児期から学童期にかけては、深いノンレム睡眠が出現するため、生涯で最も熟睡できる時期といえます。

 

逆に、中高年期に入ると、深いノンレム睡眠が減少するので、良質の眠りが誘発されにくくなります。

 

 

 


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