価値観の多様化にゆれる女性心理

価値観の多様化にゆれる女性心理

 


 

近年、女性の生き方や価値観の多様化に伴い、主婦をとりまく環境も大きく変化してきています。

 

「永久就職」「良妻賢母」といった言葉に象徴されるように、かつて女性の幸せは、結婚し、妻として母として生きることにあるという考え方が大勢を占めていました。

 

女性の役割は、家庭を守り、子どもを育てあげることとされ、多くの女性がこうした通念に従った生き方を選択してきたといってよいでしょう。

 

 

ところが近年では、社会の中で活躍する女性がめずらしくなくなりました。

 

女性が能力を発揮する舞台は家庭にとどまらず、社会全体へと広がり、その分、女性自身の選択肢も多くなったのです。

 

 

ただし、女性が家庭をもちながら、仕事を続けられる社会的な基盤は確立されていないのが現状です。

 

そのため、家族か仕事かという選択を余儀なくされるケースが少なくありません。

 

 

たとえ、結婚を機に会社や仕事を辞めて、専業主婦として家事や育児に専念するといった従来のスタイルを選んだ女性であっても、多様な価値観の存在を認識しており、そのために迷いや葛藤が生じてきます。

 

 

また、家庭を守ることが女性の大きな役割なのだと信じてきた世代でも、メディアが次々に送りだす新しい女性像や、新しい生き方といった情報に刺激されて、自分の選択した生活に疑問やむなしさを覚えるようになります。

 

 

「夫や子どものために、家事に明け暮れてきた私の人生はいったい何なのだろう」という気持ちが、家事の象徴ともいえる台所に立つことへの虚無感や抵抗感となって現れます。

 

 

これまで当たり前とされてきた女性らしい生き方と、新たな価値観との間に生じた漠然とした心のゆらぎが、ふとしたきっかけで抑えきれなくなると、心身のバランスが崩れていきます。

 

台所症候群は、社会環境の変化を背景に現れた、きわめて現代的な病態の一つといえます。

 


 

悪妻は台所症候群にならない

 

台所症候群に陥る主婦は、几帳面できまじめなタイプの人が多いようです。ちょっと疲れたからといって、家事の手抜きをするなどもってのほかで、少々つらくても夫や子どものために無理をするのは当たり前と考える傾向があります。

 

これに対して、いわゆる悪妻タイプの人は、家事はほどほどにこなし、好きな趣味や習い事など自分のやりたいことを家事に優先させるケースが多いものです。

 

 

夫や子どもに多少迷惑をかけたとしても、我慢したり、無理をしません。悪妻というと聞こえは悪いのですが、見方を変えれば、要はマイペースの生き方をしていて、しっかりと自分の世界をもっている人といえます。

 

常に自分の心に正直に生きていれば、家族関係や生活状況に変化が生じても、迷いやむなしさを感じることは少ないでしょう。

 

そうした意味において、悪妻は台所症候群に陥る危険性は低いのです。

 

 

 


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