強迫性障害の患者との接し方と、家族によるケア

強迫性障害の患者との接し方と、家族によるケア

 


 

強迫性障害の患者との接し方

 

強迫性障害の患者は自分でも考えや行動が奇妙だと思っていても、日常生活にあまり支障がないために病気であることを認めなかったり、他人から症状を指摘されるのを嫌がったりします。

 

患者が精神科の診察を受けたがらない場合も多いのです。

 

 

家族は診察ではなく相談であることを強調して、とにかく患者を病医院に連れて行き診察を受けさせます。これが強迫性障害の治療のスタートとなります。

 

どうしても行きたがらない場合には、家族だけで相談に行って医師のアドバイスを受けるようにします。

 

 

患者が強迫観念や行動で苦しんでいるときには、家族は冷静になることが大切です。患者にはなるべく静かに接し、「大丈夫」「心配ない」といった言葉をかけて落ち着かせます。

 

強迫行為を繰り返しているときに無理やりやめさせると、より強い不安や興奮が起こる危険性があります。どうしても止めたい場合には、患者が最も信頼している家族、例えば父親など特定の人が行うのがよいでしょう。

 

 

さらに、患者が強迫行為を繰り返して疲れきってしまったときには、積極的に休むように促します。病気が長引いてくると、いくら家族でも腹が立ったり嫌気がさしたりしてきます。

 

あせりや無力感を感じることも当然あるでしょう。家族が疲れていたり、気持ちが不安定だったりしては、患者の病気も治りません。

 

 

家族は自分を責めず、一人で背負い込まず、自分の心身の健康を守らなくてはなりません。家族でチームワークを組んで、なるべく多くの人で患者を支えるように配慮します。

 

場合によっては、第三者のサポートを受けて家族が休めるように一時的に患者に入院してもらう方法もあります。

 

 

強迫性障害に限らず、自分の家族が心の病気にかかっていると知ったとき、ほとんどの人は大きなショックを受けます。

 

病気なのかどうか疑う一方で、自分に責任があるのではないかといった自責の念にとらわれ、世間体が悪いので隠しておきたいと願ったり、悩みはつきません。

 

 

こうした不安は病気を知らないために起こる面もあります。不安を解消するためにも、家族はまず強迫性障害という病気がどういうものかを正しく知る必要があります。

 

わからないことは率直に主治医に質問して不安をとり除くようにします。

 


 

 

せっかく治りかけていた病気を悪化させる 「EE家族」

 

家族と患者の関係は、病気の経過にも大きく影響を及ぼします。

 

心の病気の患者に対し、自分の批判的な感情をはっきりと表現する家族のことをEE家族といいます。

 

 

こうしたEE家族の言動は、病気の経過に悪い影響を与えていることが、これまでの研究で明らかになっています。

 

精神症状の場合、周囲からは病気が改善したようにみえても小康状態であったり、実際には回復のための重要な時期であったりします。

 

 

そうした時期に家族が患者をわがままだとか怠けているとか批判すると、せっかく治りかけていた病気を悪化させることがあるので、注意が必要です。

 

強迫性障害とうつ病の関連

 

強迫性障害の人は、うつ状態を引き起こしやすいともいわれます。理想主義でまじめな性格ですから掲げる目標が高く、到達できないと悩んだり落ち込んだりするために、うつ状態になりやすくなります。

 

正直で正義感や義務感が強い執着気質のために、現代社会ではストレスに押しつぶされる危険性も高く、うつ状態を引き起こす要因となっています。

 

強迫症状をもつうつ病患者と、うつ状態になった強迫性障害の患者の区別は難しいのですが、逆にうつ病患者の場合は強迫症状に耐えやすく、日常生活への影響が比較的軽くすむという傾向が指摘されています。

 

 

 


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