社会的適応を高めるには

社会的適応を高めるには

 


 

ピーターパン人間は、問題があると何とかそれを回避し、嫌なことはしなくてすむように立ちまわってきたため、現実の壁に突きあたったときにうまく対応できず、問題を起こしがちです。

 

しかし、ピーターパン症候群は、精神疾患ではありませんので、薬物などでは治療できません。

 

 

彼らが自らの気持ちを語り、人の話に耳を傾けるように、精神科医や臨床心理士などの指導を受けることもときには必要です。

 

アメリカの心理学者ダン・カイリーは治療は困難だが、予防は比較的容易だと指摘しています。

 

 

また、『モラトリアム人間の時代』著書の小此木啓吾氏は、家族のありようを見直し、全員が一つの箱に住むだけの家族ではなく、お互いに距離をもってつき合うネットワーク家族を提唱しています。

 


 

ピーターパンの子どもたち

 

大人になれない若者たちも、やがては子どもたちの親になります。すると、子ども本位で一緒に遊んだりする、まるで友だち同士のような親子関係をつくります。

 

小此木氏は、こうした親と子の関係を、依存の逆転現象と説明しています『モラトリアム国家日本の危機』。

 

 

子どもが親に依存するのが本来の姿なのに、いつの間にか、親が子どもを生きがいにするという形で子どもに依存するようになったというのです。

 

子どもは、親の心を読みとりながら、どんなふうに親を操縦したらよいかを心得て、物を食べるか食べないかで母親とかけ引きし、学校に行かないことがいかに父親を狼狽(ろうばい)させ、不安に陥れるかもよく承知しています。

 

 

すべて子どもに主導権があり、親たちは、子どもの一挙一動に翻弄される事態になったのです。

 

そして、親をコントロールしようとする子どもたちが、拒食症・過食症不登校の病理をつくりだしている場合もあると指摘しています。

 

いつまでも子どものままで遊んでいたいというピーターパンですが、現実社会のなかでは、その無頓着さが、社会的無責任とみられてしまいます。

 

 

 


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