ピーターパン症候群の特徴とその光と影

ピーターパン症候群の特徴とその光と影

 


 


ピーターパン症候群の特徴とその光と影

 

アメリカの心理学者ダン・カイリーは、その著書『ピーターパン症候群』のなかで、ピーターパン症候群の基本症状として、

 

まず12~18歳までの少年期に、無責任、不安、孤独、性役割の葛藤が現れ、18~22歳までにナルシズムと男尊女卑志向が生まれるとしています。

 

そして現代のピーターパンを、次のように描写しました。

 

ピーターパン症候群の社会的特徴

 

父親は仕事中毒のホワイト・カラー、母親は家事と育児を生きがいにする専業主婦であることが多く、ピーターパン人間のほとんどは長男です。

 

子どものころは利発で勉強もよくでき、冒険好きで、非行に走ることもなく成長します。

 

 

しかし、大学に入学するころから、目的がはっきりしないため将来像を描くことができず、何を専攻したらよいのかわからずに悩み始めます。

 

 

好きなことしかしないために収入もわずかなケースが多く、社会人になっても金銭的に親を頼ったりします。

 

独身生活が比較的長く、デートの相手はもっぱら年下か、幼さが残っている女性を好む傾向があります。結婚後も、家族より仲間を大事にしがちで、妻は夫を家庭につなぎとめておくのに苦労します。

 

 

職場を転々として、必要に迫られない限り働こうとせず、立派なキャリアにあこがれる割には努力することを嫌います。

 

年長になると、自分の価値を証明しようとして仕事中毒になり、能力以上に働こうとしたり、やたらに頑張ります。

 

そのくせ本当はもっと自分に適した職業があるはずだという思いに悩んでいます。

 


ピーターパン症候群の心理学的特徴

 

ピーターパン人間の感情は、ある時期から発達がストップしているため、感情を上手に表現したりセーブすることができません。

 

ヒステリックになったり、とかく微妙なニュアンスの表現が下手です。

 

子ども時代は感受性豊かだったのに、大人になると自己中心的な人間になります。

 

 

無責任さが身についているので、限界まで物事を放っておきます。少々の批判はどこ吹く風で、他人への責任転化がうまいのも特徴です。

 

しかし、ある年齢以上になると、いつも何かやっていないと気がすまない働き者になります。

 

 

ピーターパン人間には、本当の友だちがいません。寂しがりやで、ひとりぼっちになるとパニックに陥るため、必死で仲間をみつけようとします。

 

プライドだけは人並み以上に高く、なかなか自分の実力の限界を認めようとはしません。

 

 

なりゆき任せで、自分の誤りを認めようとせず、気分が高揚すると問題が消えてなくなるような気がするため、薬物やアルコールの乱用に走ったりします。

 

母親の影響から逃れられず、父親に対しては、相手にされなかったという思いが強くあります。

 

 

努めて男らしさを装いガールフレンドを探しますが、彼が女性に求めているのは母親の代わりなので、その未成熟ぶりや愚かしさに、たいていの女の子は愛想をつかして逃げだしてしまいます。

 

恋人ができると、その子にべったりで、嫉妬の塊になって、うるさくつきまといます。

 

 

女性の自己主張や独立心を毛嫌いし、女性はいつも男にすがって生きていくものであり、自分が守ってやるという立場を崩そうとしません。

社会的不能症

 

青年たちは、20代の初めごろに、自分に何か問題があることに気づき始めます。

 

多くは、情緒面に欠陥があるために、対人関係が苦手になります。

 

 

いつも自分だけが疎外され、失敗ばかりしているような気になります。

 

自分には才能があるという幻想と偽りの自尊心、勇気のなさが障害になって、自分の弱さを認めることができず、社会的不適応を起こします。

 

 

カイリーがピーターパン症候群とよんだ、こうした傾向をもつ若者は、実は世界中でみられることがわかりました。

 

ピーターパン症候群は、まさに時代が生みだした現象だったのです。

 

 

 


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