ピーターパン症候群とは

ピーターパン症候群とは
(※画像はイメージです。)

 

ピーターパンと聞いて通常思い浮かべるのは、ディズニーのアニメーション映画のおとぎ話でしょう。

 

妖精の魔法の粉のひとふりで自在に空を飛びまわり、海賊フック船長と戦うネバーランドの冒険物語です。

 

 

ジャーナリストでもあったJ・M・バリーの戯曲「ピーターパンとウェンディ」は、世界中の子どもたちに親しまれていますが、本来は20世紀初頭のイギリスの中産階級が抱える社会問題を主題にしたものといわれています。

 

 

1983年、アメリカの心理学者ダン・カイリーは、主人公のピーターパンの心理的側面に注目することで、当時のアメリカ社会に増加する大人になりきれない男性たちの心理を分析しました。

 

 

生後7日目に揺りかごから行方不明となるピーターパンは、母親から見捨てられた孤独な少年としてとらえられています。

 

ガールフレンドのウェンディは母親代わりの女性、ウェンディの父親はワーカホリックの会社人間、母親は始終夫の機嫌をうかがいながらびくついている過保護ママ、妖精ティンカーベルは自立をめざす女性、そしてフック船長はピーターパンの分身であり、エリート出身の挫折組であるとしたのです。

 

 

そしてカイリーは、両親に甘やかされて育ち、成人してからも恋人や妻に世話をやいてもらうのを当たり前と考え、社会的責任感に欠けた一見無邪気にみえる青年たちが示す一連の心理を、「大人になりたくない、子どものままでいたい」という特徴からピーターパン症候群と名づけました。

 


 

ウェンディとティンカーベル

 

ピーターパンをめぐる二人の女性、ウェンディとティンカーベルもまた、二つの女性のタイプを代表しています。

 

ウェンディ・タイプは、男性の面倒をみるのが上手で、すぐに過保護の母親の役割を担ってしまいます。

 

自分に自信がもてないので、頼られると心が満たされ、自分がしっかりした女性になったような錯覚に陥るのです。

 

 

報われることがないのに世話をやき、相手が腹を立てると自分のほうが悪いと思ってしまいます。

 

問題が起こっても、仲良くやっていけばいずれ幸せになれると思い込んでいます。

 

 

ティンカーベル・タイプは、お互いが協力し合って生き生きと成長を遂げたい、大人になりたいと願っている女性です。

 

ピーターパン人間の向こう見ずな態度にはひかれながらも、彼の未熟さに気がついています。

 

 

いつかは彼がもっと大人になるだろうと期待してはいますが、見込みがないとわかると、さっさと別れてしまいます。

 

このタイプの女性は母親役ではなく、パートナーなのです。

 

カイリーは、ウェンディよりもティンカーベルをめざすことを勧めています。

 

 

 


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