第一印象や類似性、環境的要因も!? 好き嫌いを決定づける要因

好き嫌いを決定づける要因

 


 

出会った相手に対して抱く好意や嫌悪感には、さまざまな要因がかかわっています。

 

第一印象

 

私たちは初対面の相手でも、その人がどんな人なのかをある程度推測します。

 

容姿や服装のセンスといった外見から判断したり、「まじめそう」「狡猾そう」「内気そう」「活発そう」など、性格や態度についてさまざまなイメージを抱きます。

 

こうした手がかりに基づいて、私たちは相手に対して好き嫌いの感情をもつようになるものです。第一印象は、好悪感情のスタートラインともいえるでしょう。

 

いったんでき上がったイメージはなかなか崩れにくいため、第一印象で抱いた好き嫌いの感情は、その後の人間関係に根強く影響します。

 

 

容姿の美しさ

 

外見の美しさは、人に好印象を抱かせる大きな要因の一つです。

 

アメリカでの研究で、気が合う男女を30分間デートさせ、数か月後にまた同じ相手とデートしたいかどうかを調べたところ、男女ともに相手の容姿が美しいほど肯定する確率が高いという結果が示されました。

 

この研究からも、容姿の美しさが初対面での好悪感情を大きく左右することは明らかです。

 

身体的魅力に引かれる理由として、美しい人と一緒にいることで、周囲の注目を集めるなど、自分のプライドが満たされる点が大きいと考えられます。

 

また、容姿が美しいと性格もよいという思い込みもあるようです。

 

 

近接の効果

 

家が近い、学校や職場が同じ、席が隣同士といったように、物理的距離が短いほど相手に好意をもつことが多くなるとされています。

 

距離が近ければ、それだけ顔を合わせる機会が増え、コミュニケーションがとりやすくなるためです。

 

アメリカでの調査に、郵便ポストの近くに住んでいる人には知人が多いというデータがあります。ポストの近くの住人は、手紙を出しにくる人とよく顔を合わせるので、結果的に知人が増えるのです。

 

人と人の物理的な距離の近さは、互いが出会う機会の多さを示しているといってもよいでしょう。

 

距離という環境的要因も、好き嫌いの決定に大きく影響するのです。

 

 

単純接触の効果

 

行きつけの店で偶然何回か顔を合わせたり、近所に住んでいて挨拶をするうちに親しみを覚えるようになるといったことは、日常生活でよくみられます。

 

話をしたり、一緒に行動しなくても、何回か相手の顔を見ただけで互いに好意を抱くケースを、対人心理学では単純接触の効果といいます。

 

初対面の人に対しては、緊張したり、不安を感じるものですが、2度目、3度目になると不安が小さくなってきます。

 

不安が消えて、安心感に変わったとき、好意や親しみが生じるのです。これは、テレビで頻繁に目にする人物やCMに何となく親しみを覚える心理とも似ています。

 

 

一般に、第一印象が悪いと、いくら頻繁に会っても好意に結びつきにくいと思われがちですが、特に嫌いなタイプの相手でなければ、会えば会うほど好意は深まる傾向があるといわれます。

 

 

 

類似性の法則

 

「類は友をよぶ」といわれるように、趣味が同じだったり、似たような考え方をもっているなど、自分と共通点がある人には好意を抱くことが多いものです。

 

特に自分と態度が似ている人には、好意を感じやすいとされています。

 

態度というのは、物事に対する意見や判断、方向性のことです。

 

自分の意見が相手から肯定されれば誰でも自尊心が満たされ、自分の意見が正しいと自信をもつことができます。

 

逆に、意見がくい違えば自分を否定されたような気持ちを抱き、嫌悪感を覚えるようになりがちです。

 

そこには、自分と似た人と一緒にいることで、いつも自分の思想や行動が正しいという安心感を得ようとする心理が無意識のうちに働いていると考えられます。

 

 

好悪感情の相応性

 

初対面の人と話をした後は、相手から好感をもたれたかどうか、何となく察しがつくことがあります。

 

こうした予測は当たっている場合が多く、相手もこちらが抱いた好悪感情を敏感に察知しているものです。

 

また、自分が好きな相手からは好かれていると思い、嫌いな相手には自分も嫌われていると考える傾向もみられます。

 

お互いの好き嫌いの感情の一致を、好悪感情の相応性とよびます。

 

心理学的研究によれば、好悪感情の一致は相手から好かれているようだと感じたことから相手に好意をもつようになるケースと、自分が先に相手を好きになり、相手もその気持ちに応じて好意を寄せてくれると思うケースがあるとされています。

 

いずれにせよ、好き嫌いの相応性は、人間関係の進展のうえで大きな影響を及ぼします。

 

 

好意の互恵性

 

たいていの人は、誰かから「好きだ」と言われると、うれしいと感じるものです。人から好かれたいという感情は、人間の基本的な欲求とされています。

 

人間は原始時代から、集団のなかで互いの生活や生命を維持してきました。人から嫌われ、集団から排除されることは、生命が脅かされることを意味し、そのため、人間は人から好かれたいという根強い欲求をもっているのです。

 

人から好意を示されると、人間の根源的な欲求が満たされます。また、相手から一定の評価を得られることで、自尊心も高められます。その結果、自分に好意を示してくれる相手には、自分も好意を抱くようになります。

 

逆に、相手から嫌悪感を示された場合は、不安をかきたてられ、自尊心も傷つけられます。したがって、嫌われていると感じる相手には自分も嫌悪感を覚えやすいといえます。

 

 

 


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