自分探し症候群と葛藤が引き起こすさまざまな状況

自分探し症候群と葛藤が引き起こすさまざまな状況

 


 

「今より素晴らしい自分」の幻想を求める状態は、さまざまな行動として現れてきます。

 

例えば、突然会社を辞めて、海外に留学するケースはよくみられます。

 

海外でこれを学びたい、身につけたいといった明確な目的をもっている人は少なく、その多くは、海外へ行けば何かがみつかるという漠然とした思いから留学するものです。

 

 

資格をとることに熱中するケースもみられます。

 

自分のなかに眠っている能力があるかもしれないといった期待や、資格をとれば、やりがいが感じられる仕事につけるといった甘い幻想から、手当たり次第に資格を取得しようとします。

 

 

占いや心理テストに凝るのも、本人は気がついていない新しい自分や自分の魅力に出会うことが目的と考えられます。

 

自己啓発セミナーに通ったり、新興宗教に足を踏み入れることも同様の心理からといえるでしょう。

 

 

しかし、海外留学にせよ、資格の取得にせよ、なかなか自分の思いどおりにはならず、あらためて現実の厳しさに直面し、不安が解消されるどころかますます混乱に陥ることも少なくありません。

 

そして、こうした精神的な葛藤は、さまざまな心の病を引き起こすきっかけになることがあります。

 


 

脱アイデンティティ

若者とアイデンティティ

差別とアイデンティティ

 

例えば、度を越えた金額や回数の買い物を繰り返し、後悔するにもかかわらず買い物がやめられない買い物依存症や、お酒で不安をまぎらわそうとしてやめられなくなるアルコール依存症などが、若い女性に増えているといわれています。

 

 

また、自分が陥っている状況は家族に原因があるのだと思いながらも、何か間題が生じれば自分を守り、援助してくれる家族から離れられないケースもみられます。

 

これも家族に逃げ込むという意味で、一種の依存症といってよいでしょう。

 

 

このほか、摂食障害やうつ病をはじめとする気分障害、不安障害心身症などを発症するケースもあります。

 

 

依存症やうつ病といった心の病に陥った場合は、精神神経科での薬物療法やカウンセリングが必要となります。

 

カウンセリングでは、自分でわからなくなっている自分の姿や感情を明確にするための援助を行います。

 

混乱や迷いから抜け出すための答えを自分でみつけられるよう、医師やカウンセラーが患者とともに考えていきます。

 

 

また、自我の形成が未熟な背景には、幼少時からの生育環境や親子関係の問題が大きくかかわっている可能性が考えられるので、家族を交えてカウンセリングをするなど、家族に対する働きかけも同時に行われます。

 

 

買い物依存症やアルコール依存症などは、単なる気晴らしと思っているうちに始まることが多く、自分では病気なのかどうかわかりにくいものです。

 

少しでも気になる場合は、ためらわずに精神神経科を受診して、早い段階で専門家に相談するようにしましょう。

 

 

 


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