季節性情動障害(SAD)とは? 【毎年同じ季節に軽快するうつ病や躁病がある】

季節性情動障害(SAD)とは
(※画像はイメージです。)

 

毎年ある季節になると決まったように発症し、同じ季節に軽快するうつ病や躁病があり、季節性情動障害(SAD)とよばれます。

 

感情障害というのは、国際的な診断・分類によるうつ病と躁うつ病のことです。

 

 

季節性情動障害については昔から報告はありましたが、その存在が確認され、広く知られるようになったのは1980年代に入ってからのことです。

 

アメリカの20代の女性が、冬の間に定期的に起こるうつ病を治そうと国内を移動している途上で、米国精神保健研究所の精神科医ムラー博士に出会ったことがきっかけでした。

 


 

博士が観察を続けたところ、秋が早い北に住むとうつの発症が早く、春遅くまで続くことがわかりました。

 

さらに冬場に暖かいカリブ海に旅行したところ、数日でうつ状態を抜けたこともわかったのです。

 

 

博士は、太陽の光不足がうつと何らかの関係があるという仮説を立て、できるだけ光にあてる光療法を行ったところ、数日で症状の改善をみたのでした。

 

 

このケースの報告をきっかけに、アメリカでプロジェクトが組まれ、季節性情動障害という症状が世に知られるようになりました。

 

日本でも88年から多施設共同研究が行われています。

 

その結果、高緯度の地域に住んでいる人ほど発生頻度が高いことがわかりました。

 

 

緯度、日照時間、気温といった環境の要因のうちで、特に日照時間がSADの発生に関与していると考えられています。

 

 

また、健康な人でも8人に1人が冬季に気分が悪化すること、社会的活動が落ちて、睡眠時間が延び、食欲が増して体重が増える傾向があると自覚していることを調査結果は示しています。

 

 

 


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