あがることは有益なストレス 【逆に前向きな気持ちをかきたてている】

あがることは有益なストレス

 


 

プロのスポーツ選手や歌手、俳優など、いつも人前にさらされている人のなかにも、競技場や舞台に立つ前に緊張と不安であがってしまうという人がいます。

 

 

アルコールを飲んでマウンドに上がったというプロ野球の投手から、ヒゲを生やしてゲンかつぎをする力士など、勝敗を争うプロスポーツの世界では不安解消のためのリラックス法や縁起かつぎは数多くあるようです。

 

大物歌手や名優といわれる人でも、本番前にひどく緊張するといわれています。

 

 

それにもかかわらず、こうした人は、結果として堂々とした素晴らしい舞台を見せてくれます。

 

慣れと言ってしまえばそれまでですが、まず「最初はしかたない」と腹をくくってトライし、訓練を積み重ねた結果と考えることができます。

 

 

ベテランの域に達していながら、緊張感でいまだに本番前にあがってしまうという人もいます。

 

「今日はうまくいくだろうか」「お客さんは喜んでくれるのだろうか」といった不安と緊張は、いつまでたっても消えることがないといいます。

 

 

しかし、こうした緊張や不安に取り組まざるをえない状況に身をゆだねることで、逆に向上心や挑戦意欲などの前向きな気持ちをかきたてているということもできます。

 

過大な不安と緊張による「あがる」という状態も、人の性格や資質、置かれた状況によっては有益なストレスに転換しうるのです。

 

大きな大会で好成績を上げた選手は「勝てる信念をずっともっていた」などの感想を語り、メンタル・トレーニングの効果をほのめかします。

 


 

 

適度な緊張感は生のエネルギー源

あがり症は病気ではなく、治療の対象となるものではありません。

 

しかし、あがり症の人が少しでも症状を軽減したいと思うのは当然です。そのためには発想の転換を必要とします。

 

 

アプローチの仕方を逆転させてみるのも一つの方法です。

 

どうしたらあがらないかではなく、どうしたらあがるかを考えてみることです。

 

 

逆説的心理療法といわれるもので、男性の勃起不全(ED)などの治療で使われる方法です。

 

あがることをおそれないで、逆にあがろうとすることで、あがり症を克服するのです。

 

 

また、ハイレベルなものを求めるのではなく、最小限の目的を果たせばよいと考え、自分なりの素朴なスピーチを実行することで慣れへの第一歩とする方法もあります。

 

 

「自分はあがり症だ、けれどもこれだけは言いたい」というように、新たな緊張の対象や場面を求めるなどして適度な挑戦意欲をかき立て、前向きにバランスをとって生きることが大切になります。

 

 

適度な緊張や不安はあって当たり前です。

 

過度になりがちな緊張と不安を適度なものと感じられるように、カウンセリングやトレーニングを繰り返すことによって軽減していきましょう。

 

 

 


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