あがり症で問題となる赤面症と吃音症 【赤面恐怖と吃音恐怖(どもる恐怖)】

あがり症で問題となる赤面症と吃音症

 


 

あがり症がひどくなって社会生活に影響が出るようになると、社会恐怖あるいは対人恐怖といわれる神経症の領域になります。

 

 

対人恐怖は他人と同席する場面で強い不安と精神的な緊張が生じ、そのため人に軽蔑されるのでは、嫌がられるのではないかと心配するあまり、他人と話をするのをできるだけ避けようとするものです。

 

対人恐怖には醜形恐怖や赤面恐怖、視線恐怖、正視恐怖、体臭恐怖、吃音恐怖などがありますが、あがり症で特に問題となるのは、赤面恐怖と吃音恐怖です。

 

赤面恐怖

 

赤面恐怖とは赤面することではなく、赤面するのではないかという不安、恐怖です。

 

他人と一緒になる場面で緊張とともに顔が赤くなり、赤面したことで相手に不快感を与えているのではないかという加害意識が強くなり、他人に会うのをおそれて、対人関係そのものからも遠ざかろうとするものです。

 

 

赤面恐怖という名称は古く、1902年にカスパーによって名づけられたものです。

 

欧米にもまったくないわけではありませんが、日本人に多い対人恐怖として注目されてきました。

 

軽症者や一過性の赤面恐怖の症状をもつ人まで含めると、相当な数の患者および予備軍がいると推測されています。

 

 

森田療法などが有効とされますが、一般には民間の治療訓練機関で処置を受けている例が多いようです。

 

悩みが深く、そのことで社会生活に不便を感じるようなら、精神科、心療内科を受診したほうがよいでしょう。

 


 

 

吃音と吃音恐怖(どもる 恐怖)

 

吃音は一般には「どもり」ともいいます。

 

話すときに言葉の最初の音や単語などを繰り返す、あるいは最初の言葉がなかなか出てこないなど、言葉のリズムや流暢さが損なわれるものです。

 

 

驚いたり、緊張したりあがったりすると、ますます強くどもるようになり、言葉の数が急に増える2~5歳のころに、男児に多く現れるといわれています。

 

なお、吃音という場合は、中枢神経系の病気がないことが原則です。

 

 

吃音恐怖は、人と話すときにどもることではなく、どもってしまって相手に迷惑をかけるのでないかとおそれ、次第に人間関係に臆病になっていくものです。

 

子どものころに、どもって恥ずかしい思いをしたことがトラウマ(心的外傷)になることがあります。

 

 

吃音の多くは一時的なもので、いつの間にか治る例が多いようですが、何週間も続いたり、子どもがそのことで悩むようなら、小児科、精神科を受診したほうがよいでしょう。

 

治療法としては、遊戯療法などの心理療法や、聴覚的遅延フィードバック法といってレコーダーに声を吹き込み、その声がわずかに遅れて耳に入るような装置を利用する方法などが用いられます。

 

家庭でできる方法としては、子どもを緊張させないように、遊び道具を使ったりしながら、ゆっくり話をすることが有効とされます。

 

 

軽度ですが、緊張すると「どもる」ことがあります。治療法はありますか?

吃音は、人前で話そうとするときに、流暢に言葉が話せなくなるものです。

 

記録によれば紀元前のギリシャ時代に、アテネの政治家・デモステネスが吃音を克服して雄弁家になったといわれます。

 

 

人間が共同生活を始め、集団の中に規範や階級が生じ、言葉が意思疎通の手段として重要な位置を占めるようになったころから、吃音は出現したと考えられます。

 

吃音に関してはさまざまな研究がありますが、なかでも「吃音文明病説」によれば、現代においても原始的な生活スタイルをとる民族社会では、吃音はゼロとはいわないまでもまれといわれます。

 

 

吃音は社会の緊張と密接な関係がありますが、緊張があるからどもるのか、どもるから緊張するのか、これは卵とニワトリの関係に似ています。

 

治療法としては、対人訓練法、遊戯療法、聴覚的遅延フィードバック法などがあります。

 

子どもでは、はなし言葉のリズム障害で、言葉の数が急に増える2歳半から5歳ころに多くみられます。

 

このころの子どもは、話したいことがたくさんありすぎて焦り、話し方のリズムを乱すためにどもってしまいます。

 

 

周囲がうるさく注意したり、無理に矯正しようとすると症状を固定化させてしまいます。

 

友だちと声を出して本を読んだり、歌を歌うときなどは安心して声を出せるので、決してしかったりせず、様子をみましょう。

 

 

 


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