統合失調症患者の自殺予防

統合失調症患者の自殺予防

 


 

統合失調症患者の自殺率も高く、その確率は1割強といわれています。

 

特に一般的な自殺の傾向と異なるのは、若年男性の高い自殺率です。自殺の危険性は中年期以降、高齢になるに従って高くなるのが一般的ですが、統合失調症患者の場合は、若年期の男性に自殺の危険性が高い傾向があります。

 

 

統合失調症患者の自殺前の精神状態として、特に注意を要するのが抑うつ状態です。

 

 

統合失調症の回復期から慢性期の患者には、しばしば抑うつ状態がみられ、絶望感を伴うのが通常です。

 

この時期には、「どうして、このような病気で貴重な時間や仕事を失ってしまったのだろう」と、入院中や通院中に失った仕事などに過度の喪失感を覚え、激しい焦燥感におそわれることもしばしばみられます。

 

 

自殺した統合失調症の患者の約80%に抑うつ状態がみられ、約60%は絶望感を感じていたというデータもあります。

 

統合失調症の患者では、失業や失恋など失ったものへの喪失感が大きいほど抑うつ状態におそわれて深い絶望感に陥り、自殺の確率が高くなるといわれています。

 

 

不安と絶望のなかにある統合失調症患者に対しては、仕事の監督者や応援団のように振るまうよりも、同盟者として対応することが自殺防止には有効であるといわれます。

 

 

また統合失調症患者はうつ病患者にみられる希死念慮のように、自分から「死にたい」と口に出すことはあまりありません。

 

希死念慮が表に現れにくいところが統合失調症患者における自殺防止の難しさとなっています。

 

 

しかし、不安や絶望などの心理が言葉には出なくても、不定愁訴としてからだの不調を訴えたり、必要以上に心身の違和感や変調にこだわり続ける心気症状が目立ってくると、それが自殺へのシグナルとなっていることもあります。

 

 

いずれにしろ、統合失調症患者の自殺を防ぐのはうつ病患者のそれと比べて難しい局面が多くなります。

 

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