中年世代の自殺とその予防

中年の自殺とその予防

 


 

公私ともに責任の大きい中年世代(40~49歳)は、家庭や社会で重要な役割を担うだけに、ストレスも強くなり、結果的に身体や心の病を背負い込むことも多くなります。

 

自分自身の問題だけではなく、配偶者との別居や離婚などのほかに、子どもや年老いた親の問題も出てきます。

 

 

このような複雑で多面的な精神環境にあるため、中年世代の自殺願望はあまり表には現れてきません。敵意も外部より自分に向けられることが多くなります。

 

平成28年「自殺の自己診断チェック」の自殺の危険因子が最もあてはまるのが、この中年世代です。

 

 

リストラや会社の倒産などによってもたらされる経済的な危機が中年世代の自殺の理由としてあげられますが、自殺の原因は一つとは限りません。

 

例えば政治的、社会的スキャンダルや汚職事件でよくみられるいわゆる引責自殺などでも、その陰には複数の問題が蓄積されている場合が多く、事件は引き金となったにすぎないこともあります。

 

 

最近は労働衛生の観点から、職場でもメンタルヘルスの必要性が認識され、医務室や診療所に専門医をおいたり、外部の医療機関と提携している企業もありますが、受診に消極的なのもこの世代の特徴です。

 

 

ワーカホリックとよばれた仕事熱心な人が、ある日突然、すべてが燃え尽きてしまったかのように抑うつ感におそわれたり、無気力になって、不安や焦燥感のとりこになってしまうなどの症状をみせ、ついには精神のバランスを失って自殺を図ったりする例もみられます。

 

自殺の危険因子が、想像以上に蓄積してしまった結果といえます。

 

 

燃え尽き症候群にならないためには、仕事を進めるなかでも重要性に応じてペースダウンしたり、自分自身の人生の目標に優先順位をつけることが欠かせません。

 

まず、心身の健康状態を整えることから始め、家庭でも家族との会話や交流を増やす努力をしましょう。

 

男性は中年世代(40~49歳)の自殺率が高い

H29年3月発表 警察庁統計資料より

男性は中年世代(40~49歳)の自殺率が高い

男性では40~49歳の中年世代の自殺率が高くなっています。

 

 

 

 


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