アダルトチルドレンの治療と回復方法

アダルトチルドレンの治療と回復方法

 

 

アダルトチルドレンの治療は、本人が機能不全家族のなかで被った心的外傷体験の質、強度、時期、持続期間などで異なるため、個別的になります。

 

基本的には家族から受けた心的外傷に対しての治療が中心になります。

 

 

広義のアダルトチルドレンの治療についての報告には、子ども時代の喪失を認めること、理想化・幻想化してきた親から離れ、自分が自分の親代わりになる技術を学ぶことという二つの治療原則があげられています。

 

この治療のプロセスは次のような段階に分けられます。

 

 

第1段階では自分をとりまく現実や問題を認めようとしない否認を解消します。

 

過酷な現実を直視して受け入れることは大変つらいことですが、否認し続けているうちは本当の自己に気づくことができず、回復にはつながりません。

 

 

回復方法の第一歩は、否認し続けて目をそらしてきたことを直視することから始まります。

 

アダルトチルドレンにとって否認は防御機制として身についてしまっているので、自分が子ども時代を喪失していたことを認めようとしませんが、ありのままの自分を認識することが重要となります。

 

 

過去がみつめられるようになったら、次にはそれを人に話すという作業に進みます。

 

そのためには、自分が安心できる人、安心できる場所を選ぶことが必要になります。体験者が集まり共感してもらえる自助グループへの参加は、孤独感が癒されるメリットがあります。

 

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次に、第2段階へ進みます。

 

この段階では、否認し続けてきた怒り、抑うつ感、罪業感、絶望感を表現することが重要となります。

 

前に進むためには、ずっと抱き続けてきた怒りや抑うつ感などの感情を捨てることが必要で、そのためにはグリーフワークという作業が行われます。

 

 

グリーフワークは「悲哀の仕事」ともよばれ、喪失したものを嘆くという作業です。

 

喪失したものは愛着をもった動物や物であったり、子ども時代そのものであったりします。

 

 

グリーフワークにおいては、子ども時代に見て見ぬふりをしてきた悲哀を自覚的に捨て去る作業を行うとともに、理想化・幻想化していた親を捨て去ることも重要とされます。

 

 

最後の第3ステップでは、理想化・幻想化していた親の代わりになって支えてくれる人を探す努力をします。

 

最終的には自分が自分をはぐくむ親になればよい、自分を愛せる自分を育てればよいということになります。

 

 

 

自分が自分の親になるための作業を「リペアレンティング」といいます。

 

こうした段階を経て人間関係の再構築や回復につなげていきます。

 

 

アダルトチルドレンを考えることは、親との関係のなかで情緒的な傷を負いながら大人になった人たち、子どものころから「よい子」を演じてきた人たちにとっては、自分の問題に気づくチャンスとなります。

 

自己を認めることが、それまで演じ続けてきた役割や行動パターンを見直すきっかけとなります。

 

押し殺していた感情や歪んだ自己認識といった「偽りの自己」を解放することで、本当の自分を探す作業が始まるのです。

 

 

 

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