アダルトチルドレンにみられる嗜癖と共依存関係

アダルトチルドレンにみられる嗜癖と共依存関係

アダルトチルドレンにみられる嗜癖と共依存関係

 

 

 

アダルトチルドレンにみられる嗜癖と共依存関係

 

嗜癖(しへき)とはアルコール依存や薬物依存、ギャンブル依存、拒食症・過食症仕事中毒など、自己調節や管理能力を失った習慣障害をいいます。

 

嗜癖はアルコール、食物、薬物のような物質に依存する物質嗜癖、ギャンブル、仕事、貯蓄、窃盗のような行為の過程に依存する過程嗜癖、夫婦や恋人などの男女関係や親子関係など人間関係への関係嗜癖の三つに分類されています。

 

 

嗜癖の本質は授乳時に乳児が感じるであろう飽食感、安全感、万能感という「心身未分化状態」の再現にあるといわれます。

 

さまざまな嗜癖的行動は人間の乳児期の心身未分化状態にあった欲求の「すり替え」として生じること、物質嗜癖や過程嗜癖の基盤には親と子、自己と他者といった人間関係の未分化があることが指摘されています。

 

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アダルトチルドレンと共依存

 

アダルトチルドレン同様、アメリカの心理療法の現場から生まれた概念に共依存(コ・ディペンデンス)があります。

 

2人の人間関係のなかで、どちらかが相手を支配管理しているようにみえても、実は支配管理された側も相手を支配管理しているという、いわば、もたれ合いの関係です。

 

 

例えば母親が子どもを世話しているつもりで、子どもに振りまわされている関係です。

 

お互いにもたれ合い、相手にのめり込んでいることから人間関係の嗜癖の一つといえます。

 

 

もともとはアルコール依存症の夫とその妻との関係を指していましたが、アダルトチルドレンと同様、アルコール依存症だけでなく機能不全家族にみられる関係にも広げられています。

 

 

アルコール依存症は、本人だけの問題のようにみえて、実はその配偶者も心の問題を抱えていることがわかってきました。

 

パートナーのアルコール依存症に悩んでいるだけではなかったのです。

 

というのはアルコール依存症の夫をもつ妻たちの行動や生き方には、驚くほど類似点があったからです。

 

 

アルコール依存症の夫をもつ妻たちの誰もが、夫の飲酒問題に自分のほとんどのエネルギーを注ぎ込み、無意識に自分自身の生活を放棄していました。

 

いわば夫のアルコール問題に依存していたのです。

 

 

一見弱い女性の生き方のようにみえますが、アルコール依存症の夫を支えることで自分から離れられないようにし、相手を支配管理しているともいえます。

 

 

共依存関係は、自分を直視することに耐えられないために、他人に頼ってもらうことで自分の存在価値や意味を認めるしかないところに問題があるとされています。

 

自分の空虚感と向き合わないですませるために、相手を世話して管理しようとするのです。

 

その結果、お互いの自立能力は衰え、感情や行動にも確信がもてなくなってしまいます。

 

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支配を愛情と錯覚

 

ある日本の心理学者は、日本的なアダルトチルドレンにみられる共依存を次のように説明しています。

 

「親は愛情を口実に子どもを支配し、子どもは自分の人生と親の人生を切り離せなくて苦しんでいる」 というのです。

 

 

この関係は一種の共依存とみなすことができます。親から虐待や身体的暴力を受けて育った人の多いアメリカのアダルトチルドレンと、日本のアダルトチルドレンでは様相が異なります。

 

日本のアダルトチルドレンの問題は、仕事中毒の父親と良妻賢母の母親のもとで、一見愛情に満ちた家庭で育ってきたようにみえて、実は真綿で首を絞められるように支配されてきた点にあるといわれています。

 

 

子どもはいずれ親のもとを離れていくのは当然のことですが、高度に文明化した人間社会では、動物本来の家族のあり方が失われつつあります。

 

日本では、子どもが成人し、社会人になった後も干渉しようとする母親が少なくありません。

 

 

母親は愛情と思い、干渉や支配とは気づいていません。

 

子どもという他者に関心を向けて集中することで自分を省みず、結局のところ自己決定できないという点では、アメリカで問題になった共依存と何ら変わりません。

 

 

いずれの場合でも問題となるのは、家族が家族としての機能を果たしていないという点です。

 

 

 

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