抗うつ剤・精神安定剤・気分安定剤はつらい気分を改善し、再発を防ぐ

2020年7月3日

抗うつ剤・精神安定剤・気分安定剤はつらい気分を改善し、再発を防ぐ

心の病気の治療では、精神療法カウンセリングとともに薬物療法もおこなわれます。

「心の問題に薬を使っても効果がないのでは?」という人もいますが、今のつらい気分を速やかに改善するためには、薬がとても役に立ちます。

治療をせずにほうっておいたら、心の不調は悪化し、立ち直るのにさらに時間がかかります。
まず薬を使って、不快な気分を和らげていきましょう。
多くの場合、心の病気に至るまでには、長い年月がかかっています。
完治するまでにも、それだけの時間がかかるのです。

その間の期間は、よくなったり、わるくなったりを繰り返します。
治ったかに見えて再発することもあります。
心の病気の治療薬(抗うつ剤・精神安定剤)は、こうした症状の繰り返しや、再発を防ぎます。

脳内にはノルアドレナリンやセロトニンなどの神経伝達物質があり、外から刺激を受けると、脳の神経細胞のあいだで放出され、情報が伝わります。

ノルアドレナリンは意欲を高める働きが、セロトニンは精神を安定させる働きがあり、うつ病の人は、とくにこれらの神経伝達物質の量が少なくなっている、といわれています。

抗うつ剤は神経伝達物質が神経細胞に再びとり込まれるのを防ぐことで、その減少を防ぎます。

現在主流となっているSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤)は、セロトニンのみに作用するので、ほかの神経伝達物質への影響が少なくそれまでの抗うつ剤より副作用が少なくなっています。

気分安定剤は、双極性障害の治療に欠かせません。
とくに躁状態を抑える効果があります。

抗不安剤(精神安定剤)は不安感をやわらげる薬です。
うつ病や不安障害まではいかないけれど、うつ症状や不安感が強いときに使用します。

不眠には睡眠導入剤を使うこともあります。

これらの薬は、心療内科や精神科以外に、内科や女性外来、婦人科でも処方されることがあります。

量、飲み方、服用期間を守る

量、飲み方、服用期間を守る

薬は役立つ一方で、副作用もあります。
安全に利用するためには、1回で飲む量、飲み方、服用期間をきちんと守ることが大切です。

服用中に副作用と思われる症状がでたときには、すぐに医師や薬剤師に伝えてください。
薬の服用を勝手にやめるのはキケンです。

必ず医師に相談しましょう。

薬の疑問に答えるQ&A

薬をのみ始めて1か月経つけれど効果を感じられません
効きめを実感するまで2~3か月かかることも

心の病気の薬は、鎮痛剤などと違って、のんで短時間で症状がよくなるものではありません。

抗うつ剤の場合、効果を感じるまでに通常2~3週間かかります。
個人差があるので、もっとはやく実感できる人もいれば、2~3か月かかる人も。

服用して1か月なら、もう少し様子をみてみては。
それでも効果がなければ、医師に薬を検討してもらいましょう。

SSRIの副作用で攻撃性が高まると聞いたけれど?
不安があれば主治医に相談を。
薬の服用を勝手にやめないで

抗うつ剤のSSRIについて、厚生労働省は「攻撃性が増すおそれがある」として注意喚起を呼びかけましたが、適正に使用していればめったに起こることではありません。

ただ、服用中の人が急にやめると、反動で副作用が出やすくなります。
勝手に薬をやめず、主治医に相談を。

副作用がつらいのでのむのをやめてもいい?
急にやめると症状が強く出てしまうことがあるので注意

薬の服用を急にやめると、かえって症状が強く出てしまうので、勝手にやめることはしないでください。

副作用がつらければ、すぐに主治医に伝えてください。
心の病気の薬には多くの種類があるので、同じ効果を発揮する薬で別の種類のものにかえてくれるはずです。