自閉症の症状と診断・特徴や仕草

自閉症の症状と診断・特徴や仕草

 

 

自閉症の症状と診断

 

言語や知能のレベルで分類

 

小児自閉症にみられる、いくつかの特徴があります。乳幼児期から人に対して興味を示すことがなく、人と結びつきをつくれません。

 

コミュニケーションのために言葉を用いることができず、おうむ返しやひとりごとが多いため、人との会話が成立しません。

 

自分にしかわからない言いまわしをしたり、話のリズムや抑揚がおかしい場合もあります。

 

 

いつも同じ道を通らないと気がすまないとか、家具や室内の装飾品などの位置が少しでも変わると必死に元に戻したりパニックを起こすなど、変化を極端に嫌います。

 

さらに症状として、低年齢では多動や感覚の異常、極端な偏食、睡眠に障害がみられることがあり、思春期になると強いこだわりや強迫症状、自傷行為が増えるなどの問題も出てきます。

 

 

1970年代の半ばまでは、自閉症は診断者の印象で判断されることが多く、診断基準の統一がなされていませんでした。

 

その後、国際診断基準が確立され、WHO(世界保健機関)が出しているICD-10や、米国精神医学会のDSM-Ⅳに基づく診断基準などが一般に用いられるようになりました。

 

ICD-10によると、小児自閉症は下の(■小児自閉症の診断基準)のような項目で診断されています。

 

 

小児自閉症の診断基準

 

3歳以前から、次のうち少なくとも1項の発達障害がみられる

 

1.社会生活のためのコミュニケーションに利用する受容性言語や表出性言語がない

 

2.相手への愛着行動や相互的な社会関係行動の発達がない

 

3.ままごとや何かのつもりになる遊びなど、機能的な遊びや象徴的な遊びをしない

 

相互的社会関係の質的障害として、次のうち少なくとも3項に当てはまる

 

1.視線・表情・姿勢・身振りなどを、社会的かかわりのなかで適切に用いることができない

 

2.機会はあっても精神年齢に相応した友人関係を、興味・活動・情緒を分かち合いながら十分に発展させることができない

 

3.ストレスや苦悩に直面しても他人からの慰めを求めることがほとんどなく、他人の苦悩や不幸を慰めたりしない

 

4.他人と喜びを分かち合うことができず、自己の喜びも他人とのかかわりのなかで表せない

 

5.社会的・情緒的な相互関係が欠如していて、他人の情動への反応が異常となったり、社会的状況に見合った行動ができない

 

コミュニケーションにおける質的障害として、次のうち少なくとも2項に当てはまる

 

1.喃語(なんご)で意思の伝達ができなかったことが多く、話し言葉の発達遅延、あるいは全体的欠如があり、代わりに身振りやジェスチャーで補おうとする試みを伴わない

 

2.言語能力はさまざまな程度に認められるが、他人とのコミュニケーションにおける相互の反応としての会話のやりとりができない

 

3.常同的で反復的な言葉の使用や、単語や文節の特有な言いまわしがある

 

4.言葉のピッチ・強さ・速度・リズム・抑揚に異常が認められる

 

5.さまざまな「ごっこ遊び」や、社会的な模倣遊びが乏しい

 

行動や興味および活動のパターンが制限され反復的・常同的であり、次のうち少なくとも2項に当てはまる

 

1.常同的かつ制限的である興味のパターンに没頭する

 

2.普通ではないような対象へ特異な愛着を示す

 

3.特定の手順や儀式に、明らかに強迫的な執着を示す

 

4.手や指をはばたかせたり、からませたり、からだ全体を使って複雑な動作をするなどの常同的・反復的で奇異な行動をする

 

5.道具の一部や、機能とはかかわりのない、におい・感触・雑音・振動などの要素にこだわる

 

6.現実には大したことのない環境のささいな変化に苦痛を感じる

 

2歳過ぎにみられる「自閉症」の特徴や仕草

 

親がまず最初に気づくのは言葉の遅れです。

 

呼びかけても振り向かず、おもちゃは並べるだけで、人とコミュニケーションができないなどの症状が目立ちます。

 

2歳過ぎの自閉症児に目につく特徴や仕草は次のような行動です。

 

  • 意味なく横目で凝視する
  • 指の間からのぞき見る
  • 物を目に近づけて見る
  • 顔を机や他人の顔に思いきり近づけて見る
  • 視界の周囲に指をひらひらさせる
  • 目の前で、分厚い電話帳などを機械的にめくり、ページの動きを見る
  • 光の点滅に見入る
  • 耳元で紙のカサカサする音を聞く
  • 下敷きなどを目の前で水平に動かし、一線にして見る
  • 鉛筆などの棒を移動し、銃の照準を合わせるように一点にして見る
  • 換気扇などの円運動に夢中になる
  • ブロックを重ねて合わせ目に見入る
  • 鏡に見入る
  • 耳をふさぐ

 

 

 

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