青年期の成熟拒否とモラトリアム

青年期の成熟拒否とモラトリアム

 

 

“モラトリアム”という言葉は「支払い猶予」あるいは「支払い猶予期間」を意味する経済用語です。

 

 

戦争、災害など、緊急の場合、債務の支払いを一定期間、法令によって中止し、債務者が支払いを猶予してもらえる臨時的な特権のことを指します。

 

この言葉を現代青年の特性を表すために、自らの発達理論に転用したのがアメリカの精神科医エリクソン・E・Hです。

 

エリクソンは、青年期をモラトリアムつまり引き延ばされた役割猶予の期間であり、成人社会へ参加するための準備期間と位置づけました。

 

研究者は、この概念を拡張して、現代の青年だけでなく、現在に生きる人々の全般に共通している社会的性格として、“モラトリアム人間”という概念を提唱しました。

 

 

その特徴として、社会に対して当事者意識に欠け、お客様的で、帰属意識も薄く、何事にも消極的で、部分的・かりそめ的なかかわりしかもとうとしないことがあげられます。

 

あれになりたい、これにもなりたいという気持ちばかりが強いといいます。

 

 

現代の青年は、青年期の時間の延長とともに、このモラトリアム的生き方を持続させ、大人になることを先延ばしにしているといわれています。

 

モラトリアムは特別な現象ではなくなりつつあります。

 

 

 

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