夜間に症状が悪化することが多いせん妄

夜間に症状が悪化することが多いせん妄

 

 

せん妄の症状には、三つのタイプがあります。

 

一つはぼんやりして口数が少なくなり、無表情で、まるでうつ病の患者のように活動が低下するハイポアクティブ・タイプです。

 

もう一つは、逆に活動性が上がるハイパーアクティブ・タイプで、ほかに両者の混合タイプがあります。ハイパーアクティブ・タイプが最も多く、男女比では男性に多く発症します。

 

 

せん妄は意識障害であるために、人の名前や時間、場所を間違えたり、わからなくなったりします。一見したところ意識がはっきりしているかのように応答したり行動しているようにみえますが、記憶がなかったり、記憶があってもおぼろげでしかありません。

 

集中力、持続力、注意力なども減退します。さらに、意識障害や注意力の低下には、1日のうちでも症状が顕著なときとそうでないときの波があります。

 

 

せん妄の前ぶれ症状としては、不安、傾眠、一過性の幻覚や悪夢などが数日前から現れるケースがみられます。せん妄の既往がある場合は、同じ状況下におかれると再発の危険が高くなります。

 


 

三つのせん妄の症状

 

【睡眠障害】

 

せん妄は睡眠障害を合併しがちで、日中にうたた寝する傾向がみられ、その眠りは短く断片的です。睡眠と覚醒のリズムが失われ、昼夜が逆転してしまう場合もあります。

 

また、夜間せん妄といわれるように、夜間に症状が悪化する傾向がみられます。

 

 

【認知障害】

 

自分が誰だかわからなくなったりするような、自己に対する見当識を失うことはめったにありませんが、軽度のせん妄でも、時間の認識能力が失われ、朝と夜を間違えたりすることが多いようです。重症になると場所や人物の認識能力まで妨げられます。

 

言語能力の障害もしばしばみられます。話の内容がとりとめなかったり、支離滅裂で的外れだったり、会話を理解できないといったことが起こります。

 

記憶障害も生じやすく、古い記憶は保たれるものの、新たに記憶を蓄積し、それを維持するのが困難になったり、思い出せなかったりします。注意力が散漫になり、無秩序で偏執的な妄想をもつこともあり、問題解決能力も低下します。

 

 

【知覚障害】

 

幻覚は比較的よくみられる症状で、なかでも幻視が現れやすいといわれています。寝具のひだが生き物のように見えたり、誰もいないベッドの上に人が見えたりして大声を出すことがあります。

 

入院中に、点滴の管がヘビのようにみえて管をはずしてしまったり、点滴の瓶の中身がおそろしい毒物に思えて点滴の瓶を割ったりするなど、患者から目が離せなくなります。

 


 

 

 

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