もっとも重い解離性同一性障害

もっとも重い解離性同一性障害

 

 

二重人格という言葉の代名詞にもなっているスティーヴンソンの『ジギルとハイド』をはじめ、多重人格障害とよばれる解離性同一性障害は、センセーショナルな話題に事欠きません。

 

 

日本ではまれなケースで、これまで報告された症例はとても少数です。

 

しかし、診断基準が確立したこともあり、今後は増えると考えられています。

 

 

はっきりと区別される二つ以上の独立した人格が、それぞれ別個の記憶、感情、行動様式をもって、一人の人間のなかに交代して出現します。

 

そのときに前面に出た人格が、その人の言葉遣いや立ち居振る舞いから意識までも支配し、ほかの人格は隠れていて表には出てきません。

 


 

 

一般に、本来の人格は別の人格の存在を記憶していないことが多いとされますが、ある人格が別の人格に気づいている場合もあるといわれます。

 

ある人格から別の人格への移行は唐突に起こる傾向があり、それぞれの人格は性別や年齢はもちろん、人種が異なることさえあります。

 

 

また嗜好や生理的特徴が違ったり、心理検査に対する反応も異なる場合があります。

 

患者の多くは女性とされ、男性患者はまれです。

 

 

同一性障害は成人早期や青年後期に発症しますが、病医院を訪れるまでに5~10年くらいたっていることが多く、診断時には30代になっているケースがほとんどです。

 

 

原因はよくわかっていませんが、大多数の患者が小児期における虐待や、近親者や友人との死別、過酷なシーンや死を目撃するなどの心的外傷体験をもっているとされ、催眠状態に入りやすい傾向があるといわれています。

 

また、解離性同一性障害では高率に脳波の異常が認められるため、てんかんが原因となりうるという説もあります。

 


 

解離性同一性障害の診断と治療

 

同一性障害と診断するには、最低でも二つの異なる人格が明確に出現することが前提となります。

 

 

解離性同一性障害に対しては、洞察を深めさせる精神療法が有効とされ、通常は催眠療法と、抗うつ薬や抗不安薬などの薬物を用いた面接が併用されます。

 

 

 

催眠を長期に継続することにより、異なった人格の細部の統合を図ることが最善とする説もありますが、かえって悪化させるという説もみられ、治療法に確立したものはありません。

 

 

さらに、ほかの人格の出現は、治療者との長期にわたる面接療法のなかでつくりあげられていったものとする説も依然として根強く、わからない部分が非常に多い障害といえます。

 


 

 

 

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