記憶が抜け落ちる解離性健忘

記憶が抜け落ちる解離性健忘

記憶が抜け落ちる解離性健忘

記憶が抜け落ちる解離性健忘

 

 

解離性健忘は、重要な個人情報や強いストレスをもたらす性質の情報を思い出すことができなくなるもので、それがあまりにも広範囲にわたるため、酒を飲みすぎて翌日何も思い出せないというブラックアウトのような単なる物忘れとは区別されます。

 

 

具体的には、自動車事故で家族全員を失い自分だけが生き残ったような場合、事故発生から数日間のことはまるで覚えていないといったケースがあります。

 

 

保存されている記憶や情報を思い出すことに精神的な葛藤があり、無意識のうちに想起できなくなるのです。

 

 

しかし、食事をしたり、テレビのスイッチを入れたりする日常生活の記憶は保たれており、新しいことを覚えたり、記憶する能力に影響はありません。

 

健忘症状は、解離性障害のなかでも最もよくみられるもので、解離性遁走解離性同一性障害にも共通して起こります。

 


 

 

また、解離性健忘には、健忘の範囲によっていくつかの種類があります。

 

多いのは、ある限られた期間に生じた出来事を思い出せない局在性健忘、ある限られた期間内のいくつかは思い出せても、すべてを思い出すことはできない選択的健忘です。

 

 

ほかに自分の全人生の記憶を失う全般性健忘、ある時期以降のすべての記憶がない持続性健忘、特定の人物や家族といった、ある範疇の情報に対する記憶を喪失する系統的健忘などもあります。

 

 

解離性健忘を起こす人は、冷たく暗い家庭環境、満たされない欲求などの精神的葛藤を抱えていることが多いといわれます。

 

性格的には情緒的に未熟で、現実の生活課題を合理的に解決する能力が乏しく、しばしば反社会的あるいは現実逃避傾向があるとされています。

 

 

こうした環境や性格に、将来への悲観、対人関係や配偶者との軋轢、仕事上の失敗などのストレスが加わると、気分の変調が起こり、健忘を発現しやすくなります。

 

 

解離性健忘は思い出したくない、忘れたいという防衛反応です。

 

情緒的な葛藤やストレスと直面することができないとき、防衛反応として嫌悪すべき刺激を無意識に遮断する抑制や、現実のある側面を無視する否認が生じます。

 


 

解離性健忘の診断と治療

 

認知症やせん妄、薬物中毒などでも健忘を呈することがあるため、解離性健忘の鑑別診断にはそれらを除外しなければなりません。

 

このため過去の心の病歴を調べたり、身体的診察、臨床検査、心理検査などを行います。

 

 

一般にすぐに記憶が戻る場合は、解離性健忘である可能性が高くなります。

 

特に治療しなくても自然に回復するケースもありますが、治療を行う場合には催眠薬を投与して行う面接が役立つことがあります。

 

 

アモパルビタール・インタビューともいわれる方法で、麻酔薬や催眠薬などを静脈注射して面接することにより、記憶回復の手がかりを探りだします。

 

 


 

 

 

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