家庭内暴力の原因と親子関係 【家庭内暴力は思春期に集中】

家庭内暴力の原因と親子関係

 


 

 

父親が家庭を放棄する

 

家庭内暴力が注目されるようになった背景には、親子関係の変化があります。

 

戦後の高度経済成長は、社会の構造を大きく変えました。親子関係でみますと、父親は会社に身を捧げるようなライフスタイル、母親は専業主婦として家を守るという夫婦の役割を分担するパターンが主流になってきたのです。

 

 

父親は仕事を理由に家庭の運営や子どもの養育をすべて母親に任せ、家庭での役割を放棄してしまっている点も特徴としてあげられます。

 

性格面でも、小心で優柔不断な人が多く、家での存在感は希薄です。

 

家庭内暴力と母親の過保護

 

父親に代わって家庭の主導権を握るようになった母親は、父親不在の寂しさや欲求不満のはけ口として、幼児期には子どもを過剰なまでに保護し、学校に通うようになると無意識のうちに過度に干渉してしまいます。

 

このような母親の性格的な傾向としては、自己中心的で、神経質で強迫的な面も併せもっていることが多いようです。

 

 

母親の過保護が原因で、家庭内暴力を振るう子どもは、幼児期の第一次や思春期の第二次反抗期には、親への反抗をほとんど示さないといわれます。

 

とはいえ反抗心がなかったわけではなく、親の強い意志が反抗を封じ込めてしまっていたにすぎません。

 

その分、子どもは息抜きができなくて窮屈に感じている場合が多いのです。

 

 

父親の家庭からの逃避と母親の過保護や過干渉という家族の力学のなかで、子どもは依存性を強める一方、自己中心的で忍耐力が弱く、不安定な精神状態に追い込まれてしまいます。

 

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子どもと向き合う

 

家庭内暴力が起きてしまった場合、最も重要なのは、親が子どもと真正面から向き合うことです。

 

特に、父親はそれまで家庭を妻任せにしてきたことを反省し、自分の役割を果たす努力を始めなければいけません。

 

 

家庭内暴力は、子どもが大人へと成長する過程で起きる一種のあがきです。

 

子どもは自分でもどうしてよいかわからない精神状態に陥っていますから、粘り強く話し合うことが第一です。

 

 

多くの場合、当事者の子どもは親のひどい仕打ちに対して暴力を振るうことが当然だと思っているため、親子の対話だけで問題を解決するのは、なかなか難しいのが現実です。

 

そこで、カウンセラーのような専門家の介入が必要になってきます。(家庭内暴力のカウンセリング

 

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家庭内暴力は思春期に集中

 

総理府の調査によりますと、家庭内で暴力を振るう子どもは、男子が女子の4倍以上と多くなっています。

 

また長男や長女が全体の8剖を超え、なかでもひとりっ子が目立ちます。

 

 

暴力を振るい始める年齢は、男女ともに13~17歳のいわゆる思春期に集中し、高校1年生の15~16歳をピークにして急激に減少する傾向にあります。

 

暴力を振るう対象としては、母親が全体の85%と圧倒的に多く、次いで父親、祖母、姉妹などとなっています。

 

親の期待を集めて大切に育てられてきたために、素直で大人の言うことをよく聞き、学校での成績もよく、手のかからないよい子である例が多くなっています。

 

 

 

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