心気症の診断チェック

心気症の診断チェック

 

 

心気症の診断は、DSM-Ⅳに基づいて行われることが多くなっています。

 

診断の決め手になる要素としては、からだの不調に対して過敏である、症状に著しくとらわれているといった点があげられます。

 

 

重大な病気ではないかというおそれをもっていたり、からだの不調や病気への不安を周囲の人に執拗に告げることも重要なポイントになります。

 

このような症状が6か月以上の長期にわたって継続していて、ほかの精神疾患や脳の器質性疾患によるものではない場合に心気症と診断されます。

 

 

うつ病や統合失調症の初期にも、ちょっとした体調の変化にとらわれることがあるので、心気症との鑑別が必要です。

 

 

うつ病や統合失調症でみられる心気妄想の状態では、「内臓が腐っている」とか「脈が止まっている」という奇異な症状を告げる点が特徴的です。

 

ほかにもそれぞれの病気に特有な症状があるので、その有無などから心気症と区別していきます。

 

 

また、認知症をはじめとする脳の器質性疾患の初期にもからだの不調にこだわりを示す場合があるので、診断の際には身体的検査を十分に行うことも必要となります。

 


 

デメカル

 

からだの不調にこだわりを示す病気

 

心気症以外にも、からだの不調にこだわりを示す病気があります。

 

内科で異常がないと診断されたら精神科を受診してみましょう。

 

不安神経症(不安障害の一つ)

 

はっきりした理由がないのに、何か気がかりで落ち着かないというケースで、心臓がどきどきする、胸がしめつけられる、息苦しいといった症状を訴えます。

 

ヒステリー(解離性障害の一つ)

 

悩みや葛藤があったり、自分の欲求や願いが満たされないときに、麻痺、けいれん、ふるえ、疼痛などの身体症状を訴えることがあります。

 

セネストパチー(体感症)

 

脳がぐしゃぐしゃになっている感じ、骨が崩れる感じといった奇異な身体的症状を訴えます。

 

離人症(離人性障害

 

自分の手足やからだ全体が自分のものでない、自分のからだが変形していると感じられるなどと訴えることがあります。

 

仮面うつ病

 

抑うつ感情が軽く、からだがだるい、食欲がない、心臓がどきどきするというような身体的症状が目立って現れるケースです。

 

うつ病

 

うつ病になると、奇異な症状があると思い込む点が特徴的な心気妄想といわれる状態に陥るケースがみられます。

 

統合失調症

 

うつ病と同様、心気妄想が生じることがあります。

 

脳器質性疾患

 

脳器質性疾患のなかでも、老年期に現れる認知症は、その初期に、ちょっとした体調の変化や異常にとらわれて、過剰な不安やおそれを訴えるケースがしばしばみられます。

 


 

詐病と虚偽性障害

 

心気症は、身体的な症状の訴えを特徴としていますが、ほかに身体的症状を訴えるものとして、詐病や虚偽性障害があります。

 

詐病は、「仕事を放棄するため」「補償金を手に入れるため」「薬物を入手するため」「刑事訴追から免れるため」というように、ある目的のために自分は病気であると偽るケースです。

 

 

「ここが痛い」「あそこの具合が悪い」と、からだの不調を熱心に告げる点では心気症と似ています。

 

 

しかし、心気症患者は明らかにからだの不調を感じていて、それが重大な病気の兆候ではないかと真剣に思い悩むもので、薬物を使って人為的に皮膚炎を起こすとか、異物を飲み込んで腹痛を起こすというように、さまざまな手段を用いて故意に病気をつくりだす詐病とは異なります。

 

 

詐病では、患者が述べる症状や障害と、客観的な所見とに著しい差がみられます。

 

 

また、診察に非協力的であったり、その背景に反社会的な人格障害が隠れていることもあります。

 

虚偽性障害も詐病と同様、身体的・心理的症状を意図的につくりだしたり、捏造するケースです。

 

 

しかし、虚偽性障害の場合は、詐病のように経済的な利得や責任からの回避といった動機があるわけではなく、もっぱら病人の役割を演じることのみに関心をもっています。

 


 

 

 

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