不眠症の原因

不眠症の原因

 

 

睡眠は長さ、深さ、リズムの3要素から成り立っており、この3つのどの調子が乱れても睡眠不足を感じるようです。ここでいう深さとは、ノンレム睡眠の深さのことで、リズムとは睡眠・覚醒リズムのことです。

 

不眠症の原因は期間もタイプもさまざまで、複数の原因が重なっていることも多いうえに、患者の訴えに基づいているため、実際には多少の睡眠をとっても、本人が眠れなくてつらいと訴えれば、不眠症と診断されます。

 

5つの不眠症の原因

 

身体的原因による不眠症

発熱、腫瘍、血管障害、心疾患、消化器疾患、内分泌代謝疾患、ぜんそく・慢性閉塞性肺疾患などによる身体的不快感から起こる不眠症です。痛みやかゆみが睡眠を妨げることもあります。

 

生理学的原因による不眠症

「時間帯急速移動症候群」ともいわれ、時差ぼけ、昼夜の交代勤務、短期間の入院、ネオンや騒音など環境によって引き起こされる不眠症です。

 

心理学的原因による不眠症

精神的ストレス、極度の興奮や緊張、精神的ショック、転居などの生活環境の大きな変化による不眠症です。

 

精神医学的原因による不眠症

アルコール依存症不安障害うつ病統合失調症などの症状のひとつとして起こる不眠症です。

 

薬理学的原因による不眠症

アルコール、抗がん剤、降圧剤、自律神経・中枢神経作用薬、ステロイド剤、甲状腺製剤、カフェイン、ニコチン、麻薬なども不眠症の原因となります。

 

 

不眠症の原因の多くは緊張や不安など精神的なものですが、自覚のない病気が潜んでいることもあります。

 


 

身体的原因
(physical)
外傷や病気(腫瘍・心疾患・呼吸器疾患・消化器疾患・皮膚疾患・内分泌代謝疾患など)による不快感(痛み、かゆみ、咳、動悸、発熱、頻尿・多尿など)、高血圧症、放射線や化学療法の副作用
生理学的原因
(physiologic)
時差ぼけ、昼夜交替勤務、入院、旅行、睡眠と覚醒のリズム障害、寝室の環境(温度・湿度・音・明かりなど)
心理学的原因
(phychological)
精神的ストレス、緊張、不安、興奮、神経過敏
精神医学的原因
(phychiatric)
うつ病、不安神経症、統合失調症、アルコール依存症
薬理学的原因
(pharmacologic)
抗がん剤、降圧剤、抗うつ剤、抗精神病薬、ステロイド剤、甲状腺製剤、経口避妊薬、アルコール、カフェイン、ニコチン

 

不眠を起こす原因はさまざまですが、臨床上では大きく五つに分けられ、英語の頭文字をとって「五つのP」とよばれています。

 

これらの原因がいくつか重複して存在していることも多く、特に中高年の場合には、さまざまな身体的、精神・心理学的要因や、社会・環境的要因が複雑にからみあって不眠症の原因となっています。

 

原因を確かめずに安易に睡眠薬を使用すると、症状を悪化させることもあるので注意が必要です。

 


 

不眠の原因の多くは精神的ストレスによる

 

不眠の原因の多くは、不安、緊張、興奮といった精神的ストレスです。

 

一時的なストレスが解消した後も眠れないことに対する焦りや不安が続くと、余計に眠れなくなって不眠が慢性化することになります。

 

この症状は神経質な人に起こりやすく、神経質性不眠症とよばれます。実際は本人が訴えるほど睡眠が障害されていないのが特徴です。

 

ぜんそくの発作やからだの痛み、咳、動悸、かゆみ、夜間頻尿など、何らかの疾患によって引き起こされる身体的不快感から不眠が起こることもあります。

 

 

睡眠中に何度か呼吸が停止する睡眠時無呼吸症候群や、下肢の筋肉がけいれんする睡眠時ミオクローヌス症候群では睡眠が中断され眠りが浅くなりますが、本人には自覚がなく、十分に眠っているはずなのにからだがだるいと感じます。

 

時差ボケや昼夜の交替勤務などによる不眠は、環境の変化にからだが適応できないことから起こります。短期間の入院や旅行先での不眠も同様です。

 

強い明かりや騒音、高温、多湿など不快な環境のために眠れなくなることもよくあります。

 

 

うつ病、神経症、統合失調症、アルコール依存症などの精神疾患の症状の一つとして現れる不眠もあります。特にうつ病では、ほとんどのケースで不眠が現れるので、診断の目安として重要です。

 

抗がん剤、降圧剤、ステロイド剤などの薬剤や、カフェイン、ニコチンなど嗜好品に含まれている物質が不眠を引き起こすこともあります。逆に、常用しているアルコール類や睡眠薬の使用を中断したために不眠になることもあります。

 

実際は、これらの原因が複雑にからみあって不眠が起こります。

 


 

睡眠障害と神経症による不眠症

 

心の病が原因で眠れないケースは、躁うつ病と神経症に大別されます。

 

この二つのうち、最近目立って増えているのが、精神的ストレスからくる神経症による不眠です。

 

ストレスの原因は、サラリーマンでは仕事や職場の人間関係からくる悩みです。女性も仕事や育児など、実にさまざまな悩みを抱えています。

 

 

神経症の人はほんのちょっとした失敗などをむやみに気にして、ストレスをため込んでしまいます。

 

ストレスの解消のためには睡眠が欠かせないのですが、心身の緊張のため逆に睡眠障害に陥ってしまうのです。

 

 

最も多いのがなかなか寝つけないという入眠障害ですが、眠りそのものも浅く、途中で頻繁に目を覚ましたりします。

 

神経症による不眠の特徴の一つに、実際には眠っているのに、本人は眠っていないと思い込んでいる状態があります。

 

仕事や家庭での精神的ストレスをきっかけに眠れない日が続くと、眠れないことを気に病むあまり、本当に毎晩一睡もできないと思い込んでしまうのです。

 

 

重症化しそうだったら専門医の適切な治療を受けることはもちろん大切ですが、不眠を思い悩むストレスが不眠を招いているという悪循環を自覚し、趣味でも仕事でも、眠り以外のことにエネルギーを注ぐように努めましょう。

 

 

心の病をもつ患者の多くは不眠を訴えます。心の病と睡眠とは深いかかわり合いがあると考えられます。

 

特に神経性不眠症患者の特徴は、入眠が困難で、眠りそのものも浅く短いことです。

 

 

うつ病患者には早朝覚醒がよくみられ、統合失調症患者も不眠をよく訴えます。

 

治療法は疾患によって違ってきますが、精神安定剤や抗うつ剤などを服用している患者が多いため、精神療法カウンセリングが必要となります。

 


 

高齢者の不眠症原因

 

50歳を過ぎたころから深い眠りが減り、中途覚醒が増え、夜間の睡眠時間が短くなってきます。

 

そのため昼間に仮眠をとる2相性の睡眠になり、不眠を訴える高齢者が増えるようです。

 

 

客観的な調査でも、高齢者は総睡眠時間が短縮し、深い眠りが減り、中途覚醒が増加することが報告されています。

 

夜まとまって眠れない代わりに、よく昼寝をするようになります。

 

 

これらの症状は、加齢に伴うからだの代謝率の低下や、睡眠と覚醒のリズムをコントロールする体内時計の変化によって起こる生理的な現象です。

 

高齢になると不眠症の原因となるからだの病気が増えたり、生きがいの喪失や生活への不安、話し相手のいない寂しさ、死へのおそれといった精神的ストレスが増えることも快適な睡眠を妨げる原因となります。

 

 

特に注意が必要なのは、高齢者に多い脳の血管障害や老年期うつ病、睡眠時ミオクローヌス症候群など、隠れた疾患が不眠症の原因となっているケースです。

 

睡眠不足で日中ひどく疲れるような場合は、早めに医師に相談しましょう。

 

 

また、睡眠サプリメント睡眠薬の服用は、眠気や筋肉の緊張の低下を招くので、転倒しやすくなり、骨折などの事故の危険性がありますから、必ず医師の指示に従いましょう。

 


 

 

 

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