無気力症候群の原因に社会的背景が大きく関与

無気力症候群の原因に社会的背景が大きく関与

 

 

無気力症候群の原因には、社会環境や価値観のあり方など、社会的要因も大きく影響しています。

 

 

その一つは、受験体制の激化です。高度経済成長の時代には、社会の競争原理が教育現場にももち込まれました。

 

それ以来、有名大学を出て有名企業に就職することを重視する傾向がみられます。

 

小学生のころから親の方針で受験勉強中心の生活を余儀なくされている子どももいます。

 

 

特に都市部では塾通いに明け暮れ、遊びや趣味や恋愛の世界に触れる機会や友人とのつき合いは希薄になる一方です。

 

偏差値によって将来が規定されるかのような状況においては、受験向けの知識や技術は習得できても、現実問題に柔軟に対応する能力や手段はなかなか身につきません。

 

 

高度経済成長はまた、家族の形態にも変化をもたらしました。

 

核家族化が進むなかで、父親は会社人間として残業や休日出勤をしたり、ときには単身赴任で家庭を顧みるゆとりもなく、子どもにとっては、心理的な父親不在になるケースも多いとされます。

 

 

子育てを一任された母親は、少子化の傾向を背景に、つい過剰な期待を抱いて過保護、過干渉となります。

 

その結果、子どもは自主性や豊かな個性を身につける機会を失ってしまいます。

 

 

自己の確立がしっかりとなされないまま、高校を卒業するまで画一的な価値観のなかで過ごしてきた人は、大学に入学した途端、自主的に勉強したり、生活することを求められて適応できなくなる場合があります。

 

また、サラリーマン・アパシーには、社会形態や経済構造の変化も大きくかかわっています。

 

 

スチューデント・アパシー、サラリーマン・アパシーが圧倒的に男性に多いのは、こうした要素に起因していると思われます。

 

 

男性は勉強や仕事の出来、不出来によって人生の価値が決まると考える人が多いのに対し、女性は、もっと多様な価値観に重きを置く傾向がみられます。

 

 

男女雇用機会均等法の制定などを背景として、女性の社会進出にはめざましいものがあり、ライフスタイルも多様化してきました。

 

しかし、女性の理想的なあり方は、結婚して幸せな家庭をつくり、子どもを育てることだと考える人がまだ多いのも事実です。

 

女性の無気力症候群がそれほど多くない理由の一つとして、エリートコースにのることや、仕事での成功に執着する度合いの少ない点があげられるかもしれません。

 

 

 

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