無気力症候群を改善・克服するためには

無気力症候群を克服するためには

 

 

無気力症候群(アパシー・シンドローム)を改善・克服するためには、カウンセリングや精神療法を中心にした治療・援助が必要です。

 

 

スチューデント・アパシー(学生の無気力症候群)の学生に対するカウンセリングは、主に大学の保健管理センターや学生相談室のカウンセラーや精神科医によって行われます。

 

サラリーマン・アパシーの場合は、会社の産業カウンセラーに相談したり、精神神経科や心療内科を受診するとよいでしょう。

 

 

カウンセリングは、現在の無気力状態が、本人の能力の結果ではないことを理解させ、現状があくまで一時的なものであると認められるように促します。

 

また、現実社会での成功、不成功とは直接かかわりのない部分で、自分の存在価値が認められるようにすることなども大きなポイントです。そして、最終的には自己確立が目標となります。

 

 

具体的には、現在の生活状況や、それについて考えている内容を聞いて、その意味について話し合うとともに、新しい体験やしたいと思うことをするように勧めます。

 

また、当面の目標を立てて、ときには一緒に解決策を考え、ときには見守り、アドバイスしながら、復学、復職への支援をしていきます。

 

 

アパシー状態は、幼少年期の生育歴や家族関係、個人の性格の特性が複雑にからみ合って起こるので、即座に症状を改善させることはできません。

 

したがって、カウンセリング治療は、長期的な展望のもとに気長に続けていかなければならないのです。

 

 

また、必要に応じて家族とも面談を行い、無気力になった背景や原因を説明して、家庭での対応について話し合いがもたれます。

 

大学生であれば指導教官や学生課職員、友人など、会社員なら上司、同僚といった、周囲の関係者と協力態勢をつくることも大切です。

 

 

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生活分析的カウンセリング

 

無気力症候群の治療に効果の高いカウンセリング技法として、生活分析的カウンセリングがあります。

 

生活分析的カウンセリングでは、現在したいと思っていることを、ラベル1枚につき一つずつ自由に書いてもらいます。

 

 

ラベルに書いた項目を、必要性と可能性に分けて点数化することで、自分にとって最も重要な目標を確認させます。

 

そして目標を達成するための行動計画を立て、1か月ごとにその目標がどれだけ達成できたかを評価します。

 

 

カウンセラーは目標が達成できた場合は称賛し、達成できなかったものに対しては、どうすれば達成できるのか、その方法などについて、助言や指導を行います。

 

この方法は、実行に対する評価によって行動への動機づけが高まり、やる気を少しずつ回復させることが可能です。

 

 

ただし、生活分析的カウンセリングが効果を上げるのは、本業に無関心でもクラブ活動や趣味などには熱中できるような、選択退却に対してとされています。

 

うつ状態があったり、重症の場合には不適切です。

 

 

なお、うつ状態や統合失調症が疑われたり、不眠、食欲減退などの身体症状を伴うような症例では、精神神経科や心療内科との連携が必要となります。

 

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レクリエーション療法

 

精神神経科や心療内科における無気力症候群への対策としては、精神分析療法をはじめ、催眠療法、行動療法、森田療法などのさまざまな精神療法があげられます。

 

 

しかし、従来の方法では時間がかかる割には、なかなか症状の改善が進まないというケースが多く、新しい治療法が模索されてきました。

 

精神療法のなかで、最近効果を上げているのがレクリエーション療法です。

 

レクリエーション療法は、一定期間入院して、体操や散歩、水泳、ゴルフ、テニスなどのスポーツから、絵画や彫刻、音楽、書道、華道といった芸術、花見や七夕、運動会、クリスマスパーティー、餅つきのような行事まで、幅広いレクリエーション・プログラムに連日参加するという治療法です。

 

 

無気力症候群では、勉強や仕事で成功することばかりを重視するあまり、生活を楽しむ手段を知らなかったり、気持ちにゆとりがない人が少なくありません。

 

そこで、レクリエーションを通じて、生活を楽しむのは悪いことではなく、仕事や勉強をより精力的にこなすためにも必要だと、体験的に気づかせようとするのです。

 

 

レクリエーション療法は、ほかの精神療法に比べて患者が溶け込みやすく、これまで経験したことのなかった喜びを感じながら治療できる点が特長です。

 

また、対人関係の改善も促され、人によっては無気力、無関心、無感動から急速に脱却していくケースもみられます。

 

 

生活分析的カウンセリングもレクリエーション療法も、それまでの生活歴では体験する機会のなかった新たな価値観や喜びに自らの行動を通して出合っていくという意味で、共通する部分があります。

 

 

 

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