ノイローゼの種類と特徴・症状

ノイローゼの種類と特徴・症状

ノイローゼの種類と特徴・症状

 

 

 

ノイローゼの患者は、しばしば自律神経症状を訴えます。動悸や頻脈、胸が締めつけられる感じ、息苦しさ、手足のしびれ感、脱力感、震え、めまい、嘔吐、吐き気、顔のほてりなどです。

 

WHO(世界保健機関)によると、ノイローゼは「不安障害」「強迫性障害」「恐怖神経症」「ヒステリー神経症」「心気症」「抑うつ神経症」「離人症」「その他」の8種類に分けられています。

 

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不安障害(不安状態)

 

受験をひかえた学生が「志望校に合格できるだろうか」、会社員が「担当した仕事は、会社や上司からよい評価を受けるだろうか」、意中の相手からは「嫌われていないか」というように、人はさまざまな不安を抱くことがあります。

 

 

この不安の大きさは、個人差が大きく、あまり不安を感じない人から、ささいなことで悩む人までいろいろです。

 

問題は、その不安を克服できるかどうかで、適切な対処ができないと、精神が不安定になります。

 

 

この状態が病的になった場合を、「不安障害」といいます。

 

性格

 

リーダーシップを取りたがるが、実は依存心が強かったり、本来は頑固で言い出したら聞かないが、人前では素直で単純な面を表したりと、二面性の性格を持つ人に発症しやすいといわれています。

 

二面性をもつため、それぞれの相反する性格に葛藤を生じ、精神の安定が保ちにくくなります。

 

不安発作

 

不安障害の人は、突然自律神経症状が出現し、心臓がドキドキしたり、異常に汗が出たりして、内からわき出てくるような不安に気が狂いそうになる「不安発作」(パニックディスオーダー)におそわれることがあります。

 

発作を起こすと「自分は死ぬのではないか」「発狂するのではないか」といった恐怖感に悩まされます。

 

 

発作はすぐにおさまりますが、再び発作に見舞われることを想定し、さらに不安に陥ってしまう「予期不安」が生じます。

 

それがまた、不安発作を誘発する要因となり、悪循環が続きます。

 

浮動性不安

 

不安発作を起こさなくても、つねに不安感を抱いたり、ものごとの悪い面ばかりを考えたりしている場合もあります。

 

この継続的な不安を「浮動性不安」とよびます。

 

不安が続くことでイライラし、何事にも集中できなくなり、焦燥感にかられる人も多いようです。

 

分類

 

「恐慌性障害」と「全般性不安障害」の2つに分けられます。

 

恐慌性障害は不安発作を起こしやすいタイプ、全般性不安障害は浮動性不安を訴えるタイプです。

 

 

ただし、不安発作を繰り返しているうちに、つねに不安を抱えてしまう場合があるため、両者にはっきりとしたラインは引けません。

 

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強迫性障害

 

ガスの元栓を閉めたか気になって何度も確認したり、家のまわりをぐるっとひとまわりしてからでなければ家の中に入れなくなります。

 

このように、ある考えが頭から離れず、いっこうに消えません。

 

 

ばかばかしい、不合理だ、自分のやっていることがおかしいとわかっていても、一日中そのことばかり気にして身動きがとれなくなってしまうことがあります。

 

これを「強迫性障害」といいます。

 

 

「強く迫られる感じ」は、考えに限らず、行動に現れる場合もあります。

 

本人もどうしてそうなるのかわからないまま、やめられない状況に陥っているのです。

 

性格

 

清潔好きで几帳面、秩序の正しさを求める、良心的で優柔不断、吝嗇家(りんしょくか)、知ったかぶりをする性格の人に強迫性障害がよくみられます。

 

ただし、今のところ、なぜこのような性格の人が発症しやすいのかは、はっきりしていません。

 

強迫観念と強迫行為

 

自分の意思と関係なく、強く迫られる考えを、「強迫観念」といいます。

 

「ばい菌がからだ中にいるのでは」「自分はすぐに死んでしまうのでは」「家のどこかからだれかが入ってくるのでは」などが強迫観念にあたります。

 

 

強迫性障害の人は、強迫観念を取り除くために何らかの行動を取り始めます。

 

これが「強迫行為」です。

 

 

たとえば「ばい菌・・・・・」では、何度も手を洗ったり(洗浄強迫)、一度に何種類もの石鹸を使ったりします。

 

このほかにも、何度も戸締まりを確認したり(確認強迫)、おまじないを唱えたり、3という数字にこだわって、なんでも3回やらないと気がすまないという人もいます。

 

 

これらの強迫行為は、強迫観念から逃避するための、いわば精神安定剤のような役割を果たしているので、強制してやめさせると、ノイローゼが進行する場合もあります。

 

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恐怖神経症(恐怖症)

 

特定の対象が見当たらないのに不安を感じる不安障害に対して、恐れている対象がはっきりしていて、どうしようもない恐怖を感じてしまうノイローゼを「恐怖神経症」といいます。

 

具体的には、「対人恐怖」「高所恐怖」「尖端恐怖」「学校恐怖」「不潔恐怖」「会食恐怖」などがあげられます。

 

 

このほかにも、動物をこわがったり、乗り物に乗れなかったり、広い場所を嫌ったりするケースもあります。

 

これらの恐怖は、外の対象物をこわがっているように見えて、実は内面にある「何か」をこわがっている場合が多いと考えられています。

 

 

つまり、その恐怖が外側に置き換えられて、恐怖神経症として現れていると考えられているのです。

 

分類

 

広さや高さ、狭さなどに恐怖を感じる「空間恐怖型」と、人前に出るのを嫌う「社会恐怖型」のほかに、「疾病恐怖型」「単一恐怖型」があります。さらに社会恐怖型は次の2つのタイプに分けられます。

 

 

1つは、人前で話すときに、緊張してからだが硬直し、声も震えるため、人が集まる場所を避けるタイプです。

 

もう1つは、赤面や体臭、容貌などを気にかけ「他人を不愉快な気持ちにさせている。自分は人前に出るものではない」と思って外出を避けるタイプです。

 

 

後者のタイプは日本人に限って多くみられる状態で、外国ではほとんどみられません。

 

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ヒステリー神経症

 

「ヒステリー神経症」は、本人自身は気づいていない心理的な問題によって、意識障害や、運動機能、知覚機能の障害が引き起こされるものをいいます。

 

たとえば、からだに特別な異常は認められないのに歩けなくなる、あるいは「ジキル博士とハイド氏」のように二重人格になることで、心の葛藤や不安を解消しようとするものです。

 

 

患者は、葛藤や要求が症状に転換されるため、その問題を悩まなくてすむようになり、精神的安定を得ることができます。

 

さらに病気になることで、家族の心配を一身に集めることができたり、手厚い看護を受けたり、学校や職場に行かなくてすんだりといった利得も得ることができます。

 

これらを「疾病利得」といいます。

 

 

逆に言えば、その症状を示してもその人にとって得がなければ、ヒステリー神経症とはいいません。

 

この傾向は身体症状にもよく現れています。

 

医師や家族、友人などの前に出るときに限って身体症状が重くなったり、症状を大げさに言ったりするところがあります。

 

 

ヒステリー神経症の人と話していると、ほかのノイローゼの患者と違い、自分に降りかかった不安やいやなこと、つらい気持ちなどが感じられません。

 

身体症状もほかのノイローゼとは若干違っています。

 

 

ヒステリー神経症は、自律神経症状に加え、視力や聴力、嘆覚を一時的に失ったり、手足が動かなくなったり、声が出なくなったりします。

 

まれに全身が弓なりに反ってしまう「強直けいれん」を起こすこともあります。

 

性格

 

ある状態を口で表現するのが苦手な人、ライバルとの競争で負けを認めたがらない人、自尊心が強いため他人に助けを求められない人、幼児性が強く、感情の起伏が激しい人、演技がかった行動をとる人がかかりやすいようです。

 

 

こういう性格の人は、「人から認められたい」「目立ちたい」という気持ちがたいへん強いといわれています。

 

ヒステリー神経症の人は、そのメッセージをからだの症状として表現しているのです。

 

分類

 

ヒステリー神経症はからだに現れる症状によって大別されます。

 

1つは「転換型」で、失神したり、声が出なかったり、歩けなくなったりする運動症状や、視力、聴力、嗅覚がないなどの知覚症状を訴えます。

 

 

もう1つは、ある一定期間のことを忘れてしまったり、二重人格になったりする「解離型」、子ども返りする「退行型」があります。

 

さらに3つのタイプが合わさった「混合型」もあります。

 

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心気症

 

病院で検査をしても、病気と思われる疾患は見つからないのに、自分は難病ではないかと悩んだり、検査結果を疑って次々と病院を移る「ドクターショッピング」を繰り返したりします。

 

病気に対して、異常なほど心配するのが「心気症」です。

 

分類

 

「疾病固執型」「多訴型」「自律神経症状型」「疼痛型」に分けられます。

 

抑うつ神経症(神経症性抑うつ)

 

いつもぐずぐずしていて、行動を起こさない、うつ状態が続くといった症状がみられるものを「抑うつ神経症」といいます。

 

憂うつになる点では、うつ病に近いといえますが、特徴的な違いがあります。

 

 

うつ病患者はトラブルがあるごとに、「自分のせいで・・・・・」と落ち込みやすいのですが、抑うつ神経症患者は、「自分が憂うつになるのはだれだれのせいだ」と他人のせいにするのが特徴です。

 

 

つねにイライラし、不眠や疲労感を訴えやすいのもこのタイプです。

 

抑うつ神経症は慢性の神経症になりやすく、高齢者に多くみられます。

 

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離人症

 

「何をしてもピンとこない」「1枚の透明な壁に包まれている感じ」と訴える患者は「離人症」と考えられます。

 

「自分の精神状態に実感が感じられないタイプ」「身体に対して実感が感じられないタイプ」「他人や外界に対して実感が感じられないタイプ」に分かれています。

 

その他

 

神経症と名前がつくものには、「精神病神経症」「驚愕神経症」「実験神経症」「児童神経症」「職業性神経症」「心臓血管神経症」「戦争神経症」「要求神経症」などがありますが、いずれも前述の7種類に含まれることが多いようです。

 

 

「神経衰弱(症)」も神経症のひとつとして扱われることもあります。

 

受験ノイローゼの学生が起こすような症状で、注意集中困難、記憶力障害、不眠などを主訴とするものです。

 

 

いずれもある種の心配、不安や恐怖などの感情を忘れるなり他人に相談したりするなどで整理できず、こだわってしまうという点では共通しています。

 

 

 

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