人間の様々な性格傾向

人間の様々な性格傾向

 


 

 

出生順位と性格傾向

 

兄弟姉妹の性格について、私たちはよく、上の子はおっとりしていて控えめだとか、下の子は積極的でマイペースといったイメージを抱きます。

 

これは、単なるイメージとばかりもいえません。さまざまな研究から、人は出生順位によって、それぞれに特有の性格傾向をもつことが明らかにされているのです。

 

 

例えば、他者との間に親しいつながりを求めようとする「親和性」の傾向を調べてみると、第1子は、第2子や第3子よりも強い親和性を示します。

 

また、遺伝的な素質はまったく同じ一卵性双生児でも、兄的な性格、弟的な性格に明確に分かれることがわかっています。

 

兄(姉)に特徴的な性格としては、慎重さや几帳面さ、また指導的、自制的、親切などがあげられます。

 

 

一方、弟(妹)には、依存的で快活、多弁、お調子者、甘えん坊といった特徴がみられます。

 

このような性格的差異は、一つには子育てにおける手のかけ方に起因すると考えられます。

 

 

第1子の場合、親は初めての子育てで四苦八苦し、子どもの機嫌や表情に過敏に反応して、大いに世話をやきます。

 

しかし第2子、第3子となると、親も子育てに慣れ、子どもの様子にそれほど過敏に反応しなくなります。

 

 

また、「お兄ちゃんだからこうしなさい」「お姉さんらしくしなさい」といったしつけによる影響も、大きいと考えられます。

 

兄弟姉妹の性格傾向は、基本に遺伝的要因があるものの、成長過程における環境や教育によって、大きな違いがもたらされるのです。

 

 

人格障害の発症には、乳幼児期の母子関係も大きく影響します。

 

母親の愛情不足が、成人後の依存傾向や攻撃性の引き金になることもあります。

 

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血液型と性格

 

血液型と性格との相関関係は、日本人にとって最も親しみのある性格類型といってもよいでしょう。

 

しかし、これは日本独特のもので、性格心理学や精神医学の分野では、血液型と性格の間に論理的に関連を認める意見はほとんどなく、また実証もされていません。

 

統計的なデータについても、その信憑性については曖昧です。

 

 

人間の性格も血液型も遺伝子によって支配されていますから、ある程度関係があっても不思議ではないかもしれません。

 

しかし、血液型にかかわる遺伝子ははっきりと証明されているのに対し、性格はその定義すら流動的な分野です。

 

 

また、性格の形成には生活環境も大きくかかわっています。

 

現在のところ、血液型と性格には、関係が認められないというのが医学上の見解です。

 

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性格類型の歴史

 

性格類型の歴史は、紀元前4世紀ごろのギリシャに始まります。

 

ヒポクラテスは、人間の体液として血液、黒胆汁、黄胆汁、粘液の四つをあげ、それぞれの体液に対応する気質として、多血質、憂うつ質、胆汁質、粘液質という概念を示しました。

 

2世紀になって、ガレノスがこれを体系化して提唱し、この考え方がヨーロッパにおける性格類型論の底流となりました。

 

 

一方、心理学者の類型論としては、ヴントのものが最古と考えられます。

 

これも基本的にはガレノスの系譜に属するもので、この4気質類型論は19世紀まで受け継がれてきました。

 

 

最も広く知られている類型論はクレッチマーによるものでしょう。

 

これは、性格を循環気質(躁うつ気質)、分裂気質、粘着気質の三つに分類したものです。

 

 

クレッチマーの理論は、躁うつ病と統合失調症、てんかんの三つの病気と体格との関連性を認め、それを一般の性格にまで拡大させました。

 

クレッチマーは、個人の性格と体格は、遺伝子型ともいうべき体質によって規定され、その結果、体格と性格の間には相関関係がみられると考えたのです。

 

 

このほかに、シェルドン、シュプランガーなどの類型論があげられますが、クレッチマー以後、目立った進展はありません。

 

これは、性格研究の流れがヨーロッパ中心の医学心理学的性格論から、環境や社会的相互作用を重視したアメリカ型の社会心理学的パーソナリティー論へと移ったことによるものと考えられます。

 

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性格の層構造

 

人間の性格は、成長に伴って徐々に形成され、気質、気性、習慣的性格、役割的性格の各要素からなりたっていると考えられています。

 

 

気質は、遺伝的、生理的なもので、性格の構成要素の基盤をなす部分です。

 

気質のうえに加わるのが気性で、幼児期における家庭内での親子関係、家族関係のなかで形成されます。

 

 

児童期を迎え、学校へ通うころからつくられていくのが、習慣的性格です。

 

この時期は、対人関係の比重が親から、友人や仲間あるいは教師へと移ります。

 

他者との比較や交渉を通じて社会性を学び、自分を対象化してとらえることで自我を確立します。

 

 

性格の層構造の表面にあるのが、役割的性格です。

 

これは、父親は父親らしく、社長なら社長らしくというように、個人が背負った役割に従って行動することで形成される性格です。

 

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心臓病・肥満と性格

 

心臓病を発症しやすい人や、肥満の人には、共通する特有の性格があるといわれています。その性格はタイプAとよばれています。

 

タイプAの人は、競争心が強く、何事にも挑戦的で、他人との比較によって現在の自分を評価したり、攻撃的で他人への敵意が強いものです。

 

 

また、焦燥感にかられる、常に全速力で行動する、いつも時間に追い立てられている、抑揚のはっきりした断定的な話し方をする、責任感が強い、せっかちといった傾向がみられます。

 

 

アメリカにおける研究では、他者に対する攻撃性や競争心が少なく、内向的で目立たないとされるタイプBと比較すると、タイプAの人の虚血性心疾患の発症率は、男性で1.4~1.8倍、女性で2.0~3.0倍とされています。

 

 

日本人にみられるタイプAは、攻撃性や敵意性が少なく、仕事熱心な傾向が目立ちます。

 

タイプAの判定法としては、JAS尺度とよばれる自己記入式質問紙検査や、標準面接法などがあげられます。

 

 

自分の性格傾向を客観的に知ることは、心身の健康管理のために重要な意味があります。

 

心臓病を予防するためにも、一度タイプAテストを受けてみるとよいかもしれません。

 

 

 

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