人格障害(パーソナリティ障害)

人格障害(パーソナリティ障害)とは

人格障害(パーソナリティ障害)とは
(※画像はイメージです。)

 

 

精神医学、心理学の分野における人格についての概念は実に多様で、その定義は研究者の数だけあるといわれています。

 

 

人格、あるいは性格とは何かを明確に説明するのは、非常に難しいことです。あえて一言で表現するなら、「思考や行動様式、社会的態度、関心や興味などにおいて一貫して現れる、その人固有の特徴的パターン」といえるかもしれません。

 

つまり、その人だけがもっているものの考え方や感じ方、行動の仕方といってもよいでしょう。

 

 

本来、人格にはさまざまな側面があります。行動や態度は、おかれた状況や対応する相手によって、その都度変化するものです。

 

しかし、異なる状況下でのさまざまな行動を通してみると、あの人は神経質だ、あの人は活動的だといった具合に、それぞれ際立った特徴が浮かび上がってきます。

 

 

さらに、こうした特性を総合していくと、外向的なタイプ、内向的なタイプといった、その人の性格の傾向が明らかになってきます。

 

つまり、一見多様に思える行動も、実はその人特有の性格傾向によって統一されていることが多いのです。

 

 

人格における特定の傾向は、すべての人にあるものです。

 

そして通常、この際立った特性こそが、その人らしさを形成しているともいえます。

 

 

ところがなかには、性格の偏りが常識的な範囲を逸脱している人がいます。

 

性格の極端な偏りのために、周囲の人たちと適応できなくなり、社会生活に支障をきたしてしまうケースで、これが人格障害(パーソナリティー障害)です。

 

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人格障害(パーソナリティ障害)という概念が確立されて診断基準ができたのは、近年になってからのことです。

 

1930年代に、治療の困難な神経症患者の多くに性格上の問題がみられ、従来の治療法では限界があることがわかってきました。

 

 

その後、アメリカを中心に活発な研究が行われ、1980年、アメリカ精神医学会による精神障害の診断と統計の手引きであるDSM-Ⅲで、人格障害(パーソナリティ障害)の概念が明確化されたのです。

 

続くDSM-Ⅲ-Rでは診断基準が設けられ、改定版のDSM-Ⅳの基準が診断の参考となっています。

 

 

人格障害(パーソナリティ障害)の人の全般的な傾向としては、繊細な感情に乏しく、自分の感情をうまくコントロールできない、また自己中心的で自分に都合よく行動し他人の迷惑を考えない、気分の浮き沈みが激しく、興奮したり暴力を振るいやすいといった点があげられます。

 

 

具体的には、DSM-Ⅳ「精神疾患の分類と手引」に示されている次の項目のうち、二つ以上を満たすケースが人格障害(パーソナリティ障害)と診断されます。

 

 

この様式は、認知(自己、他者、および出来事を知覚し解釈する仕方)、感情性(情動反応の範囲、強さ、不安定性、適切さ)、対人関係機能、衝動の制御のうち、二つ以上に現れています。

 

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①その人の属する文化から期待されるものより、著しく偏った、内的体験および行動の持続的様式がみられます。

 

②その持続的様式は柔軟性がなく、個人的および社会的状況の幅広い範囲に広がっています。

 

③その持続的様式が、臨床的に著しい苦痛または、社会的、職業的、あるいはそのほかの重要な領域における機能の障害を引き起こしています。

 

④その様式は安定し、長期間続いており、その始まりは少なくとも青年期、または小児期早期までさかのぼれます。

 

⑤その持続的様式は、ほかの精神疾患の現れ、またはその結果ではうまく説明できません。

 

⑥その持続的様式は、薬物の乱用や投薬などによる物質の影響、または頭部外傷といった一般身体疾患の直接的な生理学的作用によるものではありません。

 

なお、現在はDSM-Ⅳ-TR日本語版2003年8月新訂版より、邦訳が人格障害からパーソナリティ障害へと変更されています。

 

 

 

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