筋肉を付けるためのタンパク質の摂取量、筋肥大にオススメの高タンパク食品
体重の20%はタンパク質。
体重が70kgなら14kgはタンパク質です。
特別に肥満体型でなければ、平均的な体脂肪率は20%前後です。
つまり体重の20%は体脂肪ですが、同じく体重の20%を占めているのがタンパク質です。
体重が70kgなら「70×0.2=14kg」は、タンパク質なのです。
タンパク質が体重の20%を占めているのは、体重の40%くらいが筋肉の重みだからです。
筋肉は水分を除くとほとんどタンパク質の固まりです。
筋肉の大半は骨と骨をつなぎ、関節を動かしている骨格筋であり、骨格筋は身体の全タンパク質の約半分を占めています。
関節を動かすだけではなく、骨格筋の中でも体表にあるアウターマッスルは体型の輪郭をつくり、ボディデザインを決めています。
そのうえ筋肉は体脂肪よりも比重が重たく、同じ重さなら体脂肪よりコンパクトなので、体脂肪率が落ちて筋肉量が増えると身体は引き締まります。
筋肉を増やして身体を絞りたいなら、その材料となるタンパク質は必要不可欠です。
筋肉を付けるには、どんな食事をするべきか
普通は1.0g、筋肥大させるなら1.4~1.8gのタンパク質が必要
筋肉は水分を除くと、ほとんどがタンパク質です。
もしタンパク質の摂取量が足りないと、筋肉は分解されてしまいます。
タンパク質を構成するアミノ酸には体内で合成できない必須アミノ酸があり、外から供給されないと材料不足になってしまいます。
しかも、筋肉など身体を作るタンパク質は分解と合成を繰り返しているので、そのバランスを保つには、1日に体重1kg当たり0.8~1.0gのタンパク質が毎日必要となります。
加えて筋トレで筋肉を増量するときには、タンパク質の分解を上回る合成が起こり、それだけ材料となるタンパク質も通常より多く必要となります。
「アメリカ栄養学会では、筋肉作りには体重1kgあたり1.4~1.8gのタンパク質の摂取を薦めています。
」
これはアメリカ人向けの基準ですが、残念ながら日本人向けの基準がないので、この目安に準じてタンパク質摂取を心がけたいところです。
タンパク源となるのは肉類、魚介類、卵類、牛乳・乳製品、大豆・大豆製品といった食品群です。
高タンパク質で低カロリーの食品をリストアップしたので参考にしてください。
筋肉作りにおすすめの高タンパク質、低カロリーの食品
100g当たりのカロリー/タンパク質量 | ||
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和牛肉もも(赤身) | 191kcal | 20.7g |
豚肉肩ロース(赤身) | 157kcal | 19.7g |
ロースハム | 196kcal | 16.5g |
若鶏胸肉(皮なし) | 108kcal | 22.3g |
サバ | 202kcal | 20.7g |
シロサケ | 133kcal | 22.3g |
クロマグロ(赤身) | 125kcal | 26.4g |
ツナ缶(水煮) | 71kcal | 16.0g |
スルメイカ | 88kcal | 18.1g |
エビ(ブラックタイガー) | 82kcal | 18.4g |
木綿豆腐 | 72kcal | 6.6g |
高野豆腐(乾) | 529kcal | 49.4g |
大豆(茹で) | 180kcal | 16.0g |
ヨーグルト(全脂無糖) | 62kcal | 3.6g |
カッテージチーズ | 105kcal | 13.3g |
鶏卵(全卵、生) | 151kcal | 12.3g |
肉類、魚介類はツナ缶をのぞいてすべて生。
出典:日本食品標準成分表
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筋トレ後の1時間でタンパク質合成速度はピークに達する
ボディメイクの推進力は栄養補給とトレーニングという2つのエンジンで行います。
どちらか一方が疎かになると片肺飛行となり、出力不足で身体作りは加速しません。
栄養補給で第一に大切なのは、筋肉の材料となるタンパク質ですが、同時に糖分も欠かせません。
糖質はご飯、パンなどの主食に含まれ、筋トレに限らず運動時のエネルギー源となります。
さらに、糖質を摂ると血糖値が上がり、血糖値を下げるためにインスリンというホルモンが分泌されます。
インスリンには筋肉にアミノ酸を運ぶトランスポーターを活性化する働きもあり、筋肉でのタンパク質合成を助けます。
筋肉を付けるためのタンパク質の摂取タイミング
筋肉を付けるためのタンパク質の摂取タイミングも重要です。
筋トレだけでも筋肉のタンパク質合成速度は上がりますが、運動後にタンパク質と糖質を摂ると筋肉の合成速度が跳ね上がります。
運動直後に食事をするのは大変ですし、とくに食品に含まれるタンパク質は消化吸収に時間がかかります。
そこで頼りになるのはタンパク質のサプリであるプロテインです。
プロテインのタンパク質は吸収されやすいので、摂って1時間ほどでアミノ酸まで分解されて体内に吸収されます。
筋トレ直後に摂ればゴールデンタイムを逃さないベストタイミングの栄養補給が可能になります。
骨格筋は直径100分の1cm、長さ5cmの筋繊維からできていますが、筋繊維はさらに、直径1万分の1cm筋原繊維が束になった構造をしています。
この筋原繊維を形づくっているのが、アクチンとミオシンという2種類のタンパク質です。
筋肉が収縮する原理は、「滑り説」とよばれる説で説明されます。
筋肉に刺激が加わると、アクチンの細い糸がミオシンの太い糸に滑り込むことによって、筋原繊維の収縮が起こり、筋肉が収縮するという説です。
タンパク質の摂りすぎ・食べすぎもキケン
タンパク質が基本的にカラダにいいものですが、どんな栄養素も摂り過ぎはカラダに負担になります。
ここではタンパク質の摂り過ぎがどんなデメリットをもたらすかを分かりやすくまとめています。
タンパク質を過剰に摂ると
タンパク質を過剰に摂り過ぎてしまうと、逆に健康上のトラブルにつながります。
肉食中心の欧米では、動物性タンパク質の摂取量が多く、アメリカ人の1日のタンパク質の摂取量は100gで、このうちの動物性タンパク質の量は70gを超えています。
肉を食べすぎると、タンパク質だけでなく、飽和脂肪酸やコレステロールも多量に摂取することになり、心臓病や痛風(高尿酸血症)などを引き起こす原因になるので、注意が必要です。
摂取量が過剰なだけでなく、動物性と植物性タンパク質のバランスが崩れると、さまざまな生活習慣病(成人病)の引き金になるといわれています。
タンパク質の摂り過ぎはスポーツパフォーマンスが低下する
タンパク質を過剰に摂取すると肝臓と腎臓がそれを処理する作業でてんてこ舞いになります。
すると、肝臓に貯蔵されているグリコーゲンやアミノ酸をカラダに供給する余裕がなくなってしまいます。
長時間運動を続けると、筋肉中のエネルギー源となる筋グリコーゲンは枯渇します。
すると次ぎは血液中の血糖を使ってカラダを動かそうとしますが、それもなくなると今度は肝臓中のグリコーゲンを分解して血中に取り込もうとします。
しかし、肝臓が余分なアミノ酸の分解で忙しいとその機能は働きません。
結果的に、スポーツパフォーマンスは低下してしまうのです。
筋肉をつける代償として、日頃の持久力やパフォーマンスが低下してしまったら元も子もありません。
特に運動前のタンパク質の摂り過ぎには十分に注意しましょう。
タンパク質の摂り過ぎはオナラが悪臭になる
特に肉類を大量に食べてタンパク質を摂ろうとすると、その余剰分はアミノ酸としては吸収されずに一部が十二指腸に回されます。
その際に、胃の中で十分に消化しきれなかったものはある程度の大きさを保ったまま大腸にまで到達します。
つまり、口に入ったときの肉の形に限りなく近い状態で大腸に入るということになります。
常温に置いておいただけですぐに腐ってしまう肉が、それより高い温度の体温をキープしている腸にあると想像してみましょう・・・。
その肉はやがて腐敗し、大腸菌が増えることで強烈に臭いオナラが出る結果になります。
つまりタンパク質の過剰摂取は腸内環境の悪化にもつながります。
タンパク質の摂り過ぎは肥満につながる
食べたタンパク質は、さまざまな過程を経てアミノ酸に分解、吸収され、全身の細胞内へと運ばれて筋肉や臓器などの新陳代謝や酵素、ホルモンの材料となります。
しかし、だからといって「ならばタンパク質をたくさん摂れば摂るほど筋肉が増えるんでしょ?」と都合よくはいきません。
必要摂取量を超えるとアミノ酸の一部は脂肪として合成され、体内に貯蔵されます。
それが運動などで使われなければ、当然のことながら肥満につながります。
また、肉類の過剰摂取は同時に大量の脂肪を摂取してしまう可能性が高いことも覚えておきましょう。
特に脂身の多い肉は高カロリーかつ肉の旨味強いので、つい大量に食べてしまいがちです。
筋肉をつけようとタンパク質を摂ることで、逆に脂肪だらけのカラダを作ることにならないように注意しましょう。
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