心身症の原因の多くはストレス

心身症の原因の多くはストレス

 

 

現代社会のもたらすさまざまなストレスによって、身体のあらゆる器官に病気が起こることが明らかにされています。

 

ストレスという言葉を初めて医学に用いた生理学者のセリエは、ストレスを「外界からのあらゆる要求に対する生体の非特異的な反応」と定義し、その反応を引き起こす刺激をストレッサーとよびました。

 

 

ストレッサーとなるものには、気温や気圧の変化、騒音、手術や外傷などの物理的ストレス、アルコールや薬物などの化学的ストレス、細菌やウイルスなどによる生物学的ストレス、不安や緊張などの心理的ストレスといったものがあります。

 

 

人間には、気温が上がれば発汗を促進して体温上昇を防ぐという例のように、外部環境が変化しても、内部環境を一定に保つホメオスタシス(恒常性)といわれる機能がありますが、ホメオスタシスはストレスに対しても働いています。

 

 

急性のストレスによってホメオスタシスが乱されると、緊急反応とよばれる生体反応が起こります。

 

心臓からの血液拍出量の増加、発汗、呼吸促進、気管支拡張、血糖値上昇、胃腸の運動低下、唾液や消化液の分泌抑制、筋肉の収縮力増加などの一連の反応が緊急反応です。

 

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こうした反応が起こるのは、ストレスが加わると、交感神経の緊張が起こり、次に内分泌系の視床下部・下垂体・副腎皮質系の活性化によってホルモンの放出が起こるためです。

 

最近では、この神経系、内分泌系のほかに、免疫系もストレスに対する調節作用にかかわっていることがわかってきました。

 

 

人間はストレスに対して、自律神経系、内分泌系、免疫系といった調節系によってホメオスタシスを維持しようとしていますが、ストレスに十分対応ができなかった場合には、ホメオスタシスは破綻し、ストレス性の病気を発症することになります。

 

 

身体症状として起こったものが各種の心身症であり、心理的に障害が出れば神経症やうつ病として現れます。

 

ストレスに対する個々人の抵抗性の強弱、素因や性格などによっても現れる病気は異なってきます。

 

心身症は心理的なストレスによって起こる身体病の総称です。

 

症状が出る部位も程度もさまざまで、それぞれの症状に応じて治療が行われます。

 

通常は内科の一般的な治療を基本に、薬物療法と心理的アプローチとしての心理(精神)療法が行われます。

 

心身症の治療で最も重要なことは、患者の治りたいという意欲です。

 

治りたいという意欲がないと医師との信頼関係も築きにくく、双方の合意によってよりよい方法を選択して治療を進めていくことが難しくなります。

 

 

特に難治例では、治療に時間がかかることが多いものです。

 

患者自身が、病気になることで自分を納得させたり、言い訳として身体の不調に逃げ込んでいるようなケースでも同様です。

 

心身症の治療は、患者自身が病気の原因に気づき、セルフ・コントロールできるようになることが大切です。

 

 

 

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