心身症の治療は心療内科で

心身症の治療は心療内科で

 

 

心身症の病態はさまざまです。

 

患者はまず現れた身体疾患の種類によって、それぞれの科に行くことになりますが、心身症が疑われるときは、心療内科を訪れるとよいでしょう。

 

 

心療内科は内科から派生した科ですが、内科をベースに精神科の観点ももち、心理療法(精神療法)などを得意とする診療科です。

 

医師は、問診から患者の生活習慣とその変遷、性格などを把握しつつ、患者の応答の様子から心身症の可能性を探っていきます。

 

 

最初から診断と治療をはっきりと区別するのは困難なことも多く、診断の過程がそのまま治療になったり、治療の過程で診断が確定したりすることもあります。

 

 

心身症はからだのさまざまな部位に発症する身体疾患ですから、まず身体の治療を優先させて疾患に応じた治療法を用います。

 

仮面うつ病のように、身体症状の背後にうつ病が隠れているような場合は、心の病気に対する治療から行います。

 

 

次に、原因となっている心の問題に心理的な方法でアプローチします。

 

不安やうつ状態、不眠がみられる場合は、症状に応じた薬物療法も必要です。

 

薬物療法と並行して、睡眠、食事、運動などの生活指導もなされます。

 

 

心理療法では、カウンセリングを中心に、適切な治療法が選択されます。

 

 

身体面から働きかける心身療法として、東洋医学的な治療法が選ばれたり、併用されることも多いようです。

 

患者の病態や年齢、家庭環境などを勘案して、医師がより適切と判断するものを勧めるのが一般的です。

 

スポンサーリンク


 

心身症の治療法と手順

 

心身症の治療では、薬物療法をベースとした身体的な治療とともに心理的な治療(心身医学療法)が行われます。

 

通常用いられる治療法の多くは健康保険が適用されますので、費用の面でも安心です。

 

 

身体的治療

 

内科的治療

臨床各科における内科的な治療が行われます。

 

例えば気管支ぜんそくなら気管支拡張薬、胃・十二指腸潰瘍なら粘膜保護薬などが投与されます。

 

向精神薬

患者に何らかの精神症状が認められれば、症状に合わせて抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などが使用されます。

 

心身症の薬物療法

心身症の治療に用いる向精神薬は、抗不安薬、抗うつ薬、睡眠薬などです。

 

●抗不安薬:精神安定薬とよばれることもあります。不安を鎮める抗不安作用、気持ちを落ち着かせて眠気をもたらす鎮静催眠作用、筋の緊張を緩和させる筋弛緩作用、抗けいれん作用があります。

 

飲み続けても、一般に副作用は少ないものです。薬物依存になる可能性があるので、医師の指示に従って服用します。

 

●抗うつ薬:うつ状態を改善する薬です。うつ状態には最も確実な効果が得られますが、副作用もあるため専門医の処方に従って正しく服用することが大切です。

 

●睡眠薬:抗不安薬と同系統の薬で、抗不安作用、鎮静催眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用を有します。

 

心身症の治療は身体の治療と同時に心の治療が必要です。

 

症状によっては向精神薬が用いられますが、服薬期間は長くなりがちです。

 

治療経過は、今どの時点にあるのか、薬はいつごろ中止されるのかなど、医師に服薬予定を確認し、副作用が出た場合は相談することが大切です。

 

 

心理(精神)療法

 

支持療法

患者の話を受容的態度で聞くことに重点をおき、患者を励まし、助言を与えながら患者を支持する方法です。

 

表現療法

過去の心的外傷体験についてできるだけ自由に言葉や態度で表現させ、患者のうっ積した感情を吐き出させることで心の緊張を解いていきます。

 

洞察療法

患者の過去や生活史、発病前後の事情などについて患者と話し合い、患者自身が自分の内的葛藤の由来や性質、病状などについて洞察が得られるようにします。

 

主な洞察療法には、患者自身が洞察を得るように導いていく非指示的療法と、精神分析の手法を使って無意識下にあるものを意識化することで治療する精神分析療法などがあります。

 

訓練療法

何らかの訓練によって症状の軽減を図ろうとする治療法です。

 

〈森田療法〉

患者が自分の症状をありのままに受け入れられるように、訓練する方法で、一定期間の入院が必要です。

 

〈自律訓練法〉

からだがリラックスすれば心も落ち着いてくるという考えに基づいた一種の自己催眠法です。

 

最初は臨床心理士などの指導を受けながら行いますが、最終的には患者自身が自分で自在にできるようにします。

 

関連自律訓練法

 

〈行動療法〉

目に見えるもの、客観的に観察できるものを重視する治療法です。

 

現在に焦点を合わせ、過去に何があったか、どんな生活をしていたかといったことはあまり問題にしません。

 

主な行動療法には次のようなものがあります。

 

 

・系統的脱感作療法:低いレベルの不安から高いものへと次第に慣れさせていき、最終的には、強い刺激でも不安が起こらないようにします。

 

・バイオフィードバック療法:バイオフィードバック療法の原理は、身体内部の目に見えない心身の情報を、光や音の信号に変えて目に見えるようにして患者にフィードバックするものです。

 

 

行動療法にはほかに、治療にあたる側が行動の模範を示し、患者にまねさせるリモデリング、好ましくない行動が起こったときに罰を与える嫌悪療法、不安や恐怖を体験させ、その刺激が実際には何の危険もないことを体得させるエクスポージャー、好ましい行動がみられたときに報酬を与え、その行動を強化していくオペラント療法などがあります。

 

 

そのほかの心身症の治療法

 

交流分析

構造分析、交流パターン分析、ゲーム分析、脚本分析からなる自己分析的な精神療法で、臨床の場だけでなく、企業の教育・研修などにも用いられています。

 

人間は誰でも「親、大人、子どもの三つの自我状態」があり、「心の中に5人の家族」をもっているとして、3領域のバランスを分析し、性格の違う5人家族をエゴグラムというグラフに描く方法です。

 

絶食療法

いろいろな方法がありますが、標準的な方法は、東北大学方式とよばれています。

 

10日間の完全絶食と5日間の復食期からなる絶食期には、1日500mlの点滴を行い、白湯または番茶を1,000ml以上飲ませます。

 

 

どの治療法でも、治療を進めるうえで大切なことは、患者自身が治したい、積極的に治療を受けようという意欲です。

 

心理療法は一朝一夕に効果が出るものではありません。意欲がないと根気が続かず、効果は上がりにくくなります。

 

 

 

スポンサーリンク


 

合わせて読みたい記事

心身症とは? 心の問題を原因として、身体に症状が現れる病気
心身症は心の問題を原因として、身体に症状が現れる病気です。眼精疲労や腰痛、十二指腸潰瘍といった身体病は、心の問題で発症することもあるのです。 心理的な要因でからだに異常を生じる心身症lこは、かかりやすい性格があるといわれます。治療には心理的アプローチが欠かせません。
心身症になりやすい三つの性格(パーソナリティー)
心身症という病気が知られるようになった1960~70年代当時は、かかりやすい性格として、几帳面、仕事熱心、我慢強い、精力的、責任感が強い、努力家などの特徴があげられていました。さらに、最近では心身症に陥りやすい性格として、強迫型、自己愛型、境界型の三つの性格傾向が注目されています。
心身症の原因の多くはストレス
現代社会のもたらすさまざまなストレスによって、身体のあらゆる器官に病気が起こることが明らかにされています。心身症の原因の多くもストレスと言われています。 心理的な要因でからだに異常を生じる心身症lこは、かかりやすい性格があるといわれます。治療には心理的アプローチが欠かせません。
代表的な心身症とまぎらわしい病気
代表的な心身症と、心身症と間違えやすいまぎらわしい病気の説明。心身症とまぎらわしい病気に、身体表現性障害があります。
主婦の心身症・子どもの心身症
主婦の心身症は多くの場合、家庭や子育てと仕事との板ばさみ、嫁姑の確執、夫婦間の不和といったストレスが大きな要因になっています。また、心身症は子どもにも起こります。幼少期はからだの発達が未分化なために、全身的な反応を呈するケースが多くみられます。

このページの先頭へ戻る