サケの栄養・DHAやEPAといった不飽和脂肪酸や、良質のタンパク質を多く含む
サケの特徴
DHAやEPAといった不飽和脂肪酸や、良質のタンパク質を多く含み、生活習慣病の予防に効果があるといわれます。頭から尾まで捨てるところなく食べられるのも魅力です。
特徴1
DHAやEPAといった不飽和脂肪酸をはじめ、アミノ酸スコアの高い良質のタンパク質やビタミン類、ミネラルも含有し、栄養バランスに喜んでいます。
特徴2
身は塩焼きやムニエルなどに、なか落ちやあらは鍋物に、卵のイクラはしょうゆ漬けや塩漬けにするなど、捨てるところのない魚です。
特徴3
寒い時期に鍋ものにして食べると、全身が温まり疲労がとれます。
特徴4
食欲不振や下痢などの胃腸障害の改善に役立つナイアシンやビタミンB6が多く含まれています。
DHAやEPAなどの脂肪酸に富むサケ
河川の上流で産まれ、海で育ち、産卵期になるともとの河川に戻ってくる母川回帰(ぼせんかいき)という性質をもっています。とれる時期によって異なるよび方をもち、5~6月に北洋で捕獲されるものはトキシラズやナツザケ、秋口に河口近くでとれるものはアキアジとかアキザケといいます。
産卵場を求めて河口に集まってくるサケのからだには脂肪が豊富に含まれています。この脂肪には脳を活性化させるDHA(ドコサヘキサエン酸)や、血小板の凝集を抑えて血を固まりにくくするEPA(エイコサペンタエン酸)が多く存在します。
これらの不飽和脂肪酸はコレステロール値や中性脂肪値を減少させたり、血圧を下げる働きがあります。DHAやEPAをはじめとする脂質は身だけでなく、卵のイクラに多量に存在し、食べ過ぎると口の中に脂っこさが残るほどです。
サケは白身魚と同じくらいタンパク質に富むだけでなく、ほかの魚にはあまりないビタミンAの含有量が高いのが特徴です。さらに、カルシウムの吸収を促進するビタミンDを含んでいます。
ナイアシンはタンパク質や糖質、脂質の代謝にかかわるところから、胃腸が弱くよく下痢をする人には欠かせないビタミンといわれます。また、皮には細胞の再生やエネルギーの代謝を促進するビタミンB2が豊富なので、残さずに食べましょう。ビタミンB6はタンパク質の代謝にかかわり、皮膚を丈夫にします。
頭には氷頭(ひず)とよばれる軟骨があり、通常、酢につけて氷頭なますとします。氷頭には関節と関節の間を滑らかにするムコ多糖類が豊富で、腰痛の改善に効果があります。
サーモンピンクといわれるサケの身の色はカロチノイド色素によるもので、赤いものほど含有量は多く、ベニザケはシロザケの4倍にもおよびます。一般に、赤みの強い身ほどおいしいといわれます。
サケの選び方と保存方法
うろこが銀色でつやのあるサケを選びます。身がきれいな赤色で、透明感があり、水分が出ていないものが良質です。
余ったら大きいものは切り身にしてラップで包み冷凍保存します。サケの身にはアニサキスという寄生虫が存在している危険性があるので、生食は避けます。ただし、酢やアルコールで調理したものや燻製(くんせい)、冷凍の刺身(ルイベ)であればアニサキスは死んでいるので食べても安心です。
また、ビタミンB6は熱に弱いので、ルイベやマリネのように加熱しないで食べるほうが栄養の損失は少なくてすみます。
サケの栄養データ
()内は1日の栄養所要量に対する割合
タンパク質 | 6.6g(25.5%) |
---|---|
脂質 | 6.7g |
カルシウム | 11mg |
ナイアシン | 6.7mg(47.9%) |
鉄 | 0.7mg(6.4%) |
ビタミンA効力 | 160IU(8.9%) |
ビタミンB1 | 0.18mg(22.5%) |
ビタミンD | 168IU(112%) |
※1切れ80g中
サケを使った胃腸強化に効果のあるメニュー
塩ザケの混ぜ寿司
米を同量の水で炊き、熱いうちに合わせ酢をふり、冷まします。塩ザケは焼いてあらくほぐし、薄く小口切りにしたキュウリ、ゴマ、千切りにしたシソとともに寿司に混ぜ合わせます。
塩サケには切り身1切れ(80g)で約5gの塩分が含まれるので、血圧の高い人は塩分のない生ザケを用いたほうがよいでしょう。
サケのワイン蒸し
耐熱皿に薄切りにしたタマネギ、斜め切りにしたセロリを敷いて、塩、こしょうをした生ザケを置き、パセリの茎とセロリの葉の部分をのせます。
白ワインをふって蒸し器で10~15分蒸します。パセリとセロリをとり除いて、タルタルソースを添えます。
生サケには特有のにおいがありますが、日本酒やワインをかけたり、香味野菜と一緒に調理すれば、においが消えて食べやすくなります。
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