セクシュアル・ハラスメントの背景や原因

セクシュアル・ハラスメントの背景や原因

セクシュアル・ハラスメントの背景や原因

 

 

日本ではセクシュアル・ハラスメントのほとんどは、公けにされることのない男女間の問題として潜在化していました。

 

被害を受けた女性が、上司と会社の責任を問う裁判を提起した「福岡セクシュアル・ハラスメント事件」が契機となってマスコミが大々的に取り上げ始め、89年以降、社会的に大きな関心を集めるようになりました。

 

こうした動きがきっかけとなって、職場での性的嫌がらせの実態調査が行われ、「女性の働く権利」に対する問い直しが始まりました。

 

 

97年6月に男女雇用機会均等法が改正され、労働省も学識経験者、労働者、経営者の代表を集めて調査研究会を発足し、98年3月には労働大臣からの指針が発表されました。

 

スポンサーリンク


 

 

この指針の基になった調査報告書では、企業内の対応や対策などの新しいルールづくりの早急な確立を求めています。

 

ルールの確立が急がれている背景には全国の都道府県など自治体の担当部署に寄せられる相談件数が急増しているだけでなく、法廷での決着を求める裁判も増加傾向にあり、問題が深刻化している点があげられます。

 

調査報告書では企業側の雇用管理の問題、女性労働者に対する意識が、職場でのセクシュアル・ハラスメントの原因であると指摘しています。

 

男性中心の発想から、女性の能力を考慮しないため、セクシュアル・ハラスメントにつながるような行動をとりがちな現状が浮かび上がってきます。

 

男性側に女性を対等なパートナーとして認めたくない傾向が強く、性的な関心や欲望の対象として扱うことが多い点に問題があります。

 

 

こうしたことが結果的に「自分の領域を女性に侵害されたくない意識」「対等な労働力として否定する意識」「女性労働者を軽くみる意識」「無意識性差別役割分担意識」を助長しています。

 

女性には能力発揮の場や機会を与えないという方向が選択されているのが現実です。

 

セクハラの悩みトラブルで泣き寝入りしない勇気 弁護士保険『Mikata』

 

セクシュアル・ハラスメンの背景にある男女の役割意識

 

こうした行為は、従来では性犯罪の範疇として考えられていましたが、次第にセクシュアル・ハラスメントの一種という見方がされるようになってきました。

 

セクシュアル・ハラスメントを起こすきっかけの多くは女性の能力や資質とは無関係で、ただ相手が身体的・精神的に弱者だったり、女性であるという点に関係しているからといえます。

 

 

女性は男性に従属し、男性に奉仕するという古い意識や、女性を職業人として認めきれていない考え方が職場内の人間関係にもち込まれた場合、セクシュアル・ハラスメントという行為が現れてしまうということになります。

 

 

働く女性は、職場で男性から容姿や言動についてからかわれたり、結婚、妊娠、出産や生理などを揶揄されて傷ついた体験をもっています。

 

 

6,500人の働く女性を対象にした調査では、60%の人が容姿や言動に対する嫌がらせを受け不快に感じたと答えています。

 

このようなセクシュアル・ハラスメントは、対等な人間関係では起こらない行為ですから、男女差別的な環境が存在する具体例ということになります。

 

スポンサーリンク


 

 

職場で働く女性には、容姿から言動に至るまで、男性に従順であるという従属的補助的な役割が求められます。

 

男性に従わない女性は、「生意気な女」というレッテルが貼られ、協調性のない人物という評価となるばかりではなく、ときには報復として、暴力という形がとられる場合もあります。

 

 

「ある会議で、同僚の男性と対立するような意見を述べたら、あとで『女のくせに生意気だ』と殴られた」というケースもあるくらいです。

 

職場でセクシュアル・ハラスメントを繰り返しているのは、何も特殊な人ではなく、はたからみれば好ましい職業人であり、家庭人である男性が多いともいわれています。

 

この問題を担当しているある地方自治体の労政担当者は「家庭でも家族に理解のある夫であり父である普通の人、ないしは、むしろ家庭では満点の夫や父であり、仕事上の評価もきわめて高い人」という分析をしています。

 

 

同じ労政担当者は、セクシュアル・ハラスメントの背景には男性は「24時間猛烈に働き」、女性は「男性をバックアップし、やすらぎを与える」とする役割の分業システムがあり、これは男性にとってもつらい状況であると指摘しています。

 

 

このような分業的な働き方をしているからこそ、ストレスもたまり、セクシュアル・ハラスメントが起こるのだと分析しています。

 

 

セクシュアル・ハラスメントをなくすには、まず差別される立場に甘んじている女性が、強い拒否の意思表示をするとともに、同じ職業人としての自覚をもつことです。

 

そして、男性自身の生き方や働き方を女性との共生という視点から考え直してみることが不可欠です。

 

 

 

スポンサーリンク


 

トップへ戻る