職場だけではないセクハラ 【上下関係が存在するところであれば何処でも起き得る】

職場だけではないセクハラ

 

 

日本では、勤続年数の短い、20代の女性が被害を受ける割合が非常に高く、その加害者の大部分は、30~40代を中心とした上司や先輩であるといえます。

 

つまり、セクシュアル・ハラスメントの最も多いケースとして、中年の男性が部下や後輩の若い女性に対して行うという実態が浮かび上がってきます。

 

 

職場では勤続年数の短い若い女性は、いわば弱い立場にあるため、上司や先輩にあたる男性は、その地位を利用してセクハラを行っているのです。

 

 

ここから立場の強い者が弱い者に対して、立場を利用して行うというセクシュアル・ハラスメントの本質がうかがえます。

 

性的な言動に女性がどう「対応」するかによって女性の労働条件が不利益を受ける「対価型」と、そうした性的な言動で女性の「就業環境」が悪くなる「環境型」の二つをセクシュアル・ハラスメントとして定義しています。

 

 

社会的・身体的に強い立場や職場での上下関係を隠れみのにしたセクシュアル・ハラスメントが起きるのは、何も雇用の場だけではありません。

 

上下関係が存在するところであれば、学業の場や福祉施設でも起こっているのです。

 

 

学校で教師と学生・生徒という関係を背景に起きるスクール・セクシュアル・ハラスメントや、大学・研究機関での上下・師弟関係を背景に起きるキャンパス・セクシュアル・ハラスメント、さらには医療機関や福祉施設などで女性の患者や障害者が看護者や介護者から受けるハラスメントも深刻な問題です。

 

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セクシュアル・ハラスメントの加害者になるのは、職場でのどんな立場の人でしょうか。

 

21世紀職業財団の調査では「対価型」と思われるセクシュアル・ハラスメント行為を社長から受けた人は4.5%、社長以外の上司から69.1%、同僚から12.7%、取引先・顧客から6.4%、その他から5.5%という結果になっています。

 

 

「対価型」のセクシュアル・ハラスメントでは、性的な言動にさらされた女性が拒否的な反応を示したため、その後、不利な労働条件下におかれてしまいました。

 

例えば出張中に上司から性的関係を迫られ、拒否したところ、ボーナスの査定を下げられたようなケースもあります。

 

 

これに対し一緒に営業で顧客回りをしている男性から移動中の自動車内でからだに触られたなどで、営業活動が苦痛になったような場合は「環境型」セクシュアル・ハラスメントということになります。

 

こうした就業環境上でセクシュアル・ハラスメントと思われる行為を受けた相手は社長3.3%、上司62.1%、同僚25.3%、取引先・顧客2.0%、その他6.4%となっています。

 

 

以上は一応勤務時間内のケースですが、いわゆるアフターファイブでのセクシュアル・ハラスメントに相当する行為は、上司からのもの71.1%を筆頭に同僚からのもの14.1%、その他から6.3%、社長からの4.9%の順になっています。

 

 

これらの行為に対して女性たちは、どう対応しているのでしょうか。

 

複数回答の結果をみてみますと、「無視」と回答した人は56.2%、「本人に抗議」34.7%と個人的な対応が最も多く、「同僚に相談」18.4%、「上司に相談」6.4%、「家族に相談」6.1%と続きます。

 

「労働組合に相談」「企業内の苦情処理機関に相談」は、0.6%、0.2%と非常に低率です。「従わざるをえなかった」という回答は16.2%でした。

 

 

 

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