セクハラが女性の心身に与える影響

セクハラが女性の心身に与える影響

 

 

セクシュアル・ハラスメントは、被害者の心とからだにどのような影響を与えているのでしょうか。

 

セクシュアル・ハラスメントには、言葉によるものや、軽く肩などを触れられる程度のものから強引に関係を迫られるなど、いろいろな形態があります。

 

 

男性優位の職場の環境では、性的な冗談でからかったり、お尻を触ったりするのは、単なるジョークとして、大目にみてもよいという傾向があります。

 

しかし、被害者の半数以上が、さまざまなセクシュアル・ハラスメントによって、心身を傷つけられているという事実があるのです。

 

決して冗談として見すごしてはならない問題です。

 

 

被害者が心身へ受けた影響で最も多いのが、グラフ(下の図)のように「職場に行くのが嫌になった」で、22.7%にのぼっています。

 

スポンサーリンク


 

セクハラ被害者が受けた心身への影響

 

セクハラ被害者が受けた心身への影響

 

以下、「人間不信に陥った」「仕事をやる気がしなくなった」「男性を見ると緊張するようになった」「口数が減った」「自信をなくした」「集中できず、ミスやトラブルが増えた」「ノイローゼ気味で無気力になった」「食欲不振、吐き気、頭痛」「胃潰瘍、円形脱毛症」「遅刻や欠勤が多くなった」「家から出るのがこわくなった」の順になっています。

 

 

この調査からわかるのは仕事への悪影響です。加害者と顔を合わせたくないために出勤できなくなる場合も多く、会社に行っても加害者が、同じ職場内にいるため、落ち着いて仕事に取り組めなくなり、ミスやトラブルが増えて自信をなくすなど、労働意欲や士気の低下につながっています。

 

 

セクシュアル・ハラスメントは、働く女性の勤務遂行能力をそぎ、労働意欲を奪うことで、企業の不利益をも招くといえます。

 

 

日本では、いまだにセクシュアル・ハラスメントをあくまでも個人の問題ととらえようとする風潮がありますが、企業にとっては、企業イメージを傷つけるだけでなく、生産性という点からは経済的に大きな損失が生じるリスク・マネジメントの問題でもあります。

 

 

人間不信や男性不信に陥るなど、異性との関係を含んだ人間関係そのものに懐疑的、否定的になったと回答した被害者も少なくありません。

 

さらに、見逃せないのは食欲不振、吐き気、頭痛、胃潰瘍や円形脱毛症などのからだの変調の訴えです。

 

こうした症状はストレスによる場合が多く、ときにノイローゼやうつ状態へと移行していくおそれもあります。

 

 

この結果から、セクシュアル・ハラスメントから被害者が心身に受ける影響は深刻なものであることがわかります。

 

セクハラの悩みトラブルで泣き寝入りしない勇気 弁護士保険『Mikata』

 

 

日本では、セクシュアル・ハラスメントの加害者に対して、拒否したり抗議したりするなど、積極的に対応する女性はアメリカに比べて少ないのが現状です。

 

その理由としては職場の人間関係が悪くなったり、仕事がやりにくくなることへの危惧だけでなく、女性自身のなかにあるセクシュアル・ハラスメントへの無知や戸惑いもあります。

 

さらに積極的に対応しても、嫌がらせをやめない加害者が多く、被害者側があきらめてしまうことも原因とみられています。

 

 

さらに職場全体がセクシュアル・ハラスメントの問題を理解するどころか、被害者である女性を非難し、孤立させてしまう場合が多いといわれています。

 

被害者はセクシュアル・ハラスメントだけでなく、そこから派生した大きな苦痛を味わうことになります。

 

 

スポンサーリンク


 

日本で初めて本格的に争われた「福岡セクハラ事件」

 

男女雇用機会均等法が97年6月に改正され、セクシュアル・ハラスメントに関する規定が新設されました。しかし、今もって、セクシュアル・ハラスメントは性的な問題であるがために、被害者が口に出しにくく、被害を訴えない場合が多いので、表面に出にくい問題です。

 

 

日本で初めて本格的に争われたセクシュアル・ハラスメント裁判の「福岡セクハラ事件」では、原告女性が次のように意見陳述しています。

 

「性的嫌がらせが女性の精神と肉体をどれだけ傷つけ、人権侵害であるかを知ってもらいたい」。

 

一見セクシュアル・ハラスメントは雇用条件の悪化や経済的不利益と直接結びつかないような個人的な問題のように思われがちです。

 

 

日本では、職場の女性の約4人に1人が被害に遭っているというデータもあります。被害にあった女性が胃潰瘍になったり神経症に陥るなど、心身に与えるダメージは大きいものがあります。

 

心身の健康を害する大きな問題であることを、社会全体が認識しなくてはなりません。

 

 

女性が社会の一員として働くことは当たり前であり、制度的なサポート態勢も進んでいます。「女性のくせに」と語る前に、お互い性別をのりこえて社会人として認め合い、助け合って高め合えば、セクシャル・ハラスメントはなくなっていくでしょう。

 

 

 

スポンサーリンク


 

トップへ戻る