ニラの栄養 ビタミンB1の吸収を促進させる効果
ニラの特徴
ニラはビタミンA、ビタミンB2、ビタミンCなどのビタミンのほか、カルシウムや鉄分などのミネラルも豊富な栄養価の高い緑黄色野菜です。
からだが温まり、冬場の滋養強壮にも最適な食材です。
特徴1
ニラはハウス栽培で1年中出回っていますが、旬は7~8月です。
特徴2
ニラの特有のにおいの原因成分であるアリシンは、豚肉やレバーなどに多く含まれるビタミンB1の吸収を助けます。
特徴3
レバーとニラは、互いににおいを消し合うだけでなく、ニラに含まれるカロチンは動物性タンパク質と一緒にとると吸収率が高まるなど、栄養的にも優れた組み合わせです。
特徴4
中国では腰痛の民間療法として、ニラの青汁に酒を加えて飲んだり、ショウガのしぼり汁を加えて温湿布として用いられています。
ニラはビタミンB1の吸収を促進させる効果
東南アジアが原産地のニラは、ユリ科の多年草でネギの仲間です。
日本には古くから入り、『古事記』にも韮(かみら)と記載されています。
江戸時代までは食用ではなく、薬草として栽培されていました。
食卓にのぼるようになったのは第二次大戦後、中国料理が身近になってからのことです。
漢方ではニラを陽気草とよび、古い汚れた血(お血)を排除し滋養強壮によいとされます。
これはアリインなどの代謝を促す作用によるものと思われます。
アリインはニラやニンニクの独特のにおいのもととなる成分で、酵素アリイナーゼによってアリシンに変化し、臭気成分となります。
さらにビタミンB1と結合してアリチアミンを生じます。
アリチアミンはビタミンB1と同じ程度の働きと効力があり、しかも腸管吸収や組織内への移行がビタミンB1よりも優れています。
アリチアミンは疲労物質の乳酸の分解を早めるため、疲労回復に効果があります。
また、食欲増進や精神安定、発汗促進などの働きもあります。
ニラはビタミン類も豊富で、ビタミンA(カロチン)は、コマツナやシュンギクと同じくらい含まれ、100g(可食部)で成人の1日の所要量をまかなえるほどです。
ビタミンAは夜盲症を防ぐ栄養素としてよく知られていますが、のどや肺、胃、腸などの粘膜の生成にも大きくかかわり、かぜなどの感染症に対する抵抗力を強めます。
そのほか、抗酸化作用のあるビタミンCや皮膚を保護するビタミンB2なども多く含まれます。
ミネラルでは、骨や歯を形成するカルシウム、鉄欠乏性貧血を予防する鉄などを豊富に含んでいます。
ニラの選び方と保存方法
葉が幅広で厚みがあり軟らかく、濃緑色をして、折れていないものを選びましょう。
手にもったとき、だらりと垂れてしまうのは古い証拠です。
根元の切り口がみずみずしいかもチェックします。
通常、根元にテープが巻かれて売られていますが、根元を束ねたままだと呼吸作用で蒸れて傷むので、保存する際には必ずテープをはずします。
霧を吹いた新聞で包み、さらにラップをかけて冷蔵庫に入れると1週間程度はもちますが、栄養、おいしさともに減少していくので、できれば早く使いきりましょう。
ぬれたまま長時間放置しておくと、しおれてしまいます。
また、生の状態で切り口が空気に触れているとにおいが増すので、洗ったり切ったりするのは必ず調理直前に行いましょう。
なお、加熱しすぎると、コシがなくなり、緑色がきれいに仕上がらないので注意します。
ニラの栄養データ
()内は1日の栄養所要量に対する割合
食物繊維 | 1.0g |
---|---|
カルシウム | 50mg(8.8%) |
カリウム | 150mg |
鉄 | 0.6mg(5.5%) |
ビタミンA効力 | 1800IU(105.0%) |
ビタミンB1 | 0.06mg(7.5%) |
ビタミンB2 | 0.19mg(18.2%) |
ビタミンC | 25mg |
※1束110g中
ニラを使った二日酔い改善に効果のあるメニュー
ニラとアサリの味噌汁
砂抜きしたアサリに水を加えて火にかけ、アサリの口が開くまで待ち、みそを溶き入れます。
3cm程度に切ったニラを加え、ひと煮立ちしたら火を止めます。
ニラは火が通りやすいので、あまり煮すぎないようにします。
ニラの特有のにおいのもとであるアリシンが新陳代謝を促します。
また、ビタミンA、B群、Cも豊富なため、かぜ気味や二日酔い、疲労がたまっているときなどに効い果的です。
ニラと牡蠣のお焼き
ニラと生ガキをボウルに入れ、小麦粉、塩、粉トウガラシ少々まぶし、溶き卵を加えます。
フライパンを熱してゴマ油を敷いて、牡蠣とニラをスプーンですくい、両面をカリッと焼きます。
生牡蠣はグリコーゲンが豊富で肝臓の機能を活発にします。
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